勝負師の小池都知事が練った「三段跳び」戦略

あおり食った民進党は「分党」「解党」へ大混乱

「希望の党」結党集会で多くの政党からの離党者を引き連れて拳を突き上げる小池百合子代表(写真:つのだよしお/アフロ)

安倍晋三首相が名付けた「国難突破」解散を前に、永田町では小池百合子都知事による旋風が吹き荒れている。小池氏が、25日夕の首相解散表明会見の3時間半前の緊急会見で、自らが代表となる国政新党「希望の党」の結党を高らかに宣言して以来、解散政局の主導権は首相から小池氏に移ったからだ。

まさに"勝負師・小池"の面目躍如で、解散前日の27日午前の「希望の党」結党会見では、自民、民進両党からの離党議員など14人を従え、「寛容な改革の精神に燃えた保守」を旗印に「日本をリセットする」と首相を頂点とする巨大与党の打倒を目標に掲げて、拳を突き上げた。

昨夏の都知事選での熱狂を再現したような"小池フィーバー"に、本来なら「反自民・反安倍」勢力の先頭に立つべき野党第1党・民進党の右往左往が際立った。野党結集を目指す前原誠司代表は26日に小沢一郎自由党代表や連合の神津里季生会長とあわただしく協議する一方、小池氏とも「極秘会談」した。民進党内には小池新党との合流を目指す「発展的解党論」を唱える議員も相次ぎ、選挙前の共産党を除く野党結集も一気に現実味を帯びた。

「虚を突いた」はずの首相の冒頭解散が「小池氏の闘志に火をつけた」(自民幹部)格好で、これから3週間余の選挙戦の主役も小池氏となりそうだ。小池氏の土壇場での衆院選出馬説も消えていないが、"解散狂騒曲"の裏側では「小池氏の本当の狙いはポスト安倍での初の女性首相だ」(自民若手)との声も広がる。政界では、「小池氏の基本戦略は東京五輪後の国政復帰によって首相を狙う"三段跳び"」(首相経験者)とみる向きが多い。

党名は登録済み、公式動画も1カ月前から準備

27日午前9時半から都庁近くのホテルで開催された「希望の党」結党会見は、小池氏のワンマンショーだった。冒頭に「さらば しがらみ政治」をタイトルとする希望の党の公式動画が会場のスクリーンに映し出され、それに合わせての小池氏の登場を、壇上に居並ぶ参加議員が起立して出迎えた。

サーモンピンクのスーツに黄緑のインナーとスカーフといういでたちの小池氏はマイクを握ると「しがらみがないからリセットできる。しがらみのない政治、大胆な改革を築く」と結党の理由を述べるとともに、有権者にアピールする新党の理念については「改革のベースにあるのは伝統や文化、日本のこころを守る保守の精神だ。寛容な改革の精神に燃えた新しい政党だ」と声を張り上げた。

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