小池新党、「希望」と「野望」と「失望」のはざま 選挙に弱い「落ちこぼれ」の駆け込み寺か?

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小池百合子氏は「与党になるか野党になるかわからない」と満面の笑み(写真:つのだよしお/アフロ)

休暇明けの9月25日月曜日、またまた政局が激動した。同日夕の安倍晋三首相の解散表明会見の数時間前に小池百合子東京都知事が国政新党「希望の党」の結党と自らの代表就任を宣言したからだ。

これまで側近の若狭勝衆院議員と民進党を離党した細野豪志元環境相が続けてきた新党結成協議を小池氏が「リセット」することで、名実ともに「小池新党」としての国政挑戦に打って出た形だ。松井一郎大阪府知事(日本維新の会代表)と同様に、知事を続けながら国政に直接関与する立場も明確にした。9.28臨時国会冒頭解散、10.22衆院選という日程が正式決定する直前の新党結党宣言に、安倍首相をはじめ与野党幹部は「また小池劇場か」と天を仰いだ。

小池氏は「希望」をキーワードとした新党の基本理念・政策も公表し、経済、社会、エネルギーなどと並べて「憲法改正」も柱の一つとした。注目される選挙戦術については「全国にできるだけ多くの候補者を立てたい」と、東京や首都圏はもとより全国にできるだけ多数の候補者を擁立する考えを表明。都議会与党の公明党や民進党との連携については「今後の状況次第」と含みも残した。

短時間で人材を発掘するのは至難の業

ただ、これまでの新党入党希望者は「当選目当ての落ちこぼれ議員ばかり」(自民幹部)とみられており、短時間で国政の舞台に送り込める人材を発掘するのは至難の業だ。自民党などは小池新党を「(小池氏の)野望の党」と揶揄しており、選挙後の党運営次第では国民にとって「失望の党」となる不安も拭えない。

小池氏は25日昼過ぎに都庁で記者会見を開き、上野動物園で100日程前に誕生した赤ちゃんパンダを「シャンシャン(香香)」と命名したことを満面の笑みで発表した。その後、午後2時半から再び緊急会見を開き、小池新党の旗揚げを宣言した。

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