ブルーボトルが「ネスレ」を選んだ決定的理由 来日した創業者とCEOに直撃!
「ネスレの一部にはならない」
――ネスレによる大型出資が決まった経緯は。
ブライアン・ミーハン(以下、ミーハン):私の友人が、ネスレのサステイナビリティ(持続可能性)委員会にいて、彼のことはかなり長いこと知っている。彼は、後に(カリフォルニア州)パロアルトの店舗になる場所を紹介してくれたことがあるし、彼の娘さんはニューヨークにあるロックフェラーセンター店の常連でもある。彼自身がまず、ブルーボトルのビックファンだったことが大きい。
ブルーボトルは大型の出資元を探していたわけではない。が、そういう縁がある中で、ネスレの新たなCEOとなったマーク・シュナイダー氏と知り合った。彼は目下、ネスレの再編に力を入れていて、事業分野の中ではコーヒー、地域の中では北米を強化しようとしている。そうした中で、「ブルーボトルと話してみたらどうか」といろいろな人に言われていたようだ。ネスレは「家の中」の事業から、「家の外」の事業へと軸足を移そうとしていて、ブルーボトルから多くのことを学べると考えたわけだ。
今回の出資で大事な点は、今後もブルーボトルは独立した企業として運営され、ネスレは私たちのビジネスには一切関与しないということだ。ブルーボトルがネスレの一部になることはなく、いまと同じように独立した形で事業を続ける。今回の出資でブルーボトルの投資家はネスレだけになる。つまり、ジェームスと私はよりおいしいコーヒーを出すことに集中できるわけだ。
ジェームス・フリーマン(以下フリーマン):ありがたい限りだね。
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