スタバ、「利益好調でも債務超過」の驚愕事態 上場廃止後、いったい何があったのか
2016年12月13日付の日本経済新聞に、ひっそりとスターバックス コーヒー ジャパン(以下、SBJ)の決算公告が掲載された。その内容は同社のイメージを大きく覆す驚くべき内容だった。
この決算公告によれば、2016年9月期は売上高1606億円、営業利益150億円。前2015年9月期が6カ月の変則決算のため、前期比での比較はできないが、いずれも過去最高を更新した。店舗数も同年10月2日時点でライセンス店を含め、1212店となっており、増加基調が続いている。
あのスタバが債務超過に?
ところがバランスシートに目を移すと、負債は1000億円を超え、純資産は304億円のマイナス、いわゆる「債務超過」状態となっている。254億円の資本金と479億円の利益剰余金を、1038億円の自己株式が食いつぶしているからだ。
上場していた頃のSBJは、「超」がつくほど優良な財務体質を誇った会社だった。無借金で自己資本比率は65%、ROEも13%台とバランスシートが強固で美しいだけでなく、稼ぐ力もある会社だった。
2015年3月の上場廃止後も、稼ぐ力は当時と変わらないどころかさらに上がっているのに、この会社のバランスシートをこんな無惨な姿に変えてしまった原因は、米スターバックス本社による完全子会社化に他ならない。
なお、SBJ側は「債務超過は意図した結果であり、安定した収益計上ができている。完全子会社化の影響ではあるが、スターバックス コーヒー ジャパンが中長期的、かつ持続的な成長可能性を実現することができる環境になったと 理解している」と説明している。
SBJは、1995年に米スタバ本社と日本のサザビーリーグが折半出資する形で設立。1996年に開業した「銀座松屋通り店」は日本1号店のみならず、米本社にとっても記念すべき海外1号店だった。その後の世界展開は日本での成功を足がかりにしたものだ。
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