ご利益あり?神社がクレカを作る切実な目的 「鹿島神宮カード」の超貴重な特典の中身は?

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鹿島神宮の授与所(社務所)に行き、鹿島神宮カード特典の案内をお願いすると、神職の方が対応してくれた。

特別に入場料無料で入れる宝物館では、国宝の「黒漆平文大刀拵」を見ることができる(写真:鹿島神宮)

事前に拝殿の横でお祓いを受け、関係者入り口から案内されると、そこからは御神木を間近に見ることができる。樹齢約1300年の御神木は、大人10人が手をつないで囲めるかどうか、というほどの太さで、なかなかの見応えだった。見物が終わったら、その後は同神宮に関する解説を5~10分程度してもらえた。

続いて、宝物館に移動。通常、入館料は大人300円、中学生以下が100円だが、鹿島神宮カードを提示すると無料で入場できる。国宝の全長3メートルの直刀は迫力満点。実際の重さ・長さを再現したレプリカもあり、持ち上げることも可能となっている。

なお、神社仏閣が発行するクレジットカードは今のところ鹿島神宮のみだが、特定のクレジットカード保有者に特別体験を提供するところはほかにもある。

寺院内の"秘密の部屋"で一服

圓徳院にある、アメックス専用「京都特別観光ラウンジ」の入り口(筆者撮影)

アメリカン・エキスプレスのゴールドカード以上(提携カードでは利用不可)のランクを保有している会員は、豊臣秀吉の糟糠の妻、ねねが晩年を過ごしたことでも知られる京都高台寺塔頭「圓徳院」に所在する「京都特別観光ラウンジ」を利用することが可能だ。

ラウンジは、カード1枚につき3人まで利用が可能。参拝券売り場でカードを提示すると、別の入り口に案内される。何とも風情のある「石堀小路」を通ってラウンジへ入ると、アメリカン・エキスプレスのロゴが迎えてくれる。ラウンジの中に入ると、宇治茶や昆布茶をいただくことができ、夏は冷たい麦茶なども用意されている。なお、圓徳院はねねの甥である木下利房が木下家の菩提寺として建立した寺院。

豊臣家ゆかりのお寺のため、ラウンジで出してもらったお茶の器には、あの家紋が(筆者撮影)

したがって、お茶のうつわには豊臣家の家紋が描かれている。ラウンジで一息ついたら、通常ルートでの拝観も可能だ。なお、拝観料が無料となるのもうれしい特典となる。

最近では、クレジットカードのポイント還元率が改悪されるケースも少なくない。いっそのこと、還元率ではなく、どのような特別体験ができるかでクレジットカードを選ぶのもよいのではないだろうか。

菊地 崇仁 ポイント交換案内サービス「ポイ探」代表取締役社長

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きくち たけひと / Takahito Kikuchi

北海道札幌市出身。1998年に法政大学工学部を卒業後、同年日本電信電話株式会社(現NTT東日本)に入社。社内システムの開発、Lモードの料金システム開発、フレッツ網の機器検証等に携わり2002年に退社。同年、友人と共に起業し、システムの設計・開発・運用を行う。2006年、ポイント交換案内サービス「ポイ探」の開発に携わり、2011年3月代表取締役に就任。58枚のクレジットカード(2017年6月時点)を保有し、約120万円の年会費を支払っている。一般カードからプラチナカード等のプレミアムカードを実際に保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。すべてのカードを利用し、おトクな使い方、おすすめの使い方を日々研究中。

著書に『新かんたんポイント&カード生活 』(自由国民社)などがある。

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