会社を良くするのもダメにするのも「社長」だ

起業の苦難を乗り越えた後にやるべきこと

長期的に発展する会社にするには、社長自身が起業家から経営者に変身しなければなりません(写真:xiangtao / PIXTA)

大きな丸い石を転がし始めるのは大変ですが、根気よく強く押し続ければ、やがて転がり始めるものです。

昔、ある武将が奈良の街を巡視していると、寺の鐘つき堂の周りに、人だかりができている。何ごとかと行ってみると、男2人が激しく言い争っている。何を言い合っているかというと、その大きな釣り鐘をひとりで揺り動かすことができる、できないで口論している。まあ、それぐらいのことかと、その場を離れますが、歩きながら「あれはひとりで動かすことができる」とつぶやき、家来を驚かせます。翌日、踏み台を持っていき家来の一人に「踏み台に乗って同じ間隔で押し続けるように」と指示します。 

その家来が、3時間ほど、根気よく押し続けていると、ゆらゆらと大鐘が揺れ始める。家来が、その武将に改めて驚いたという話があります。そして、揺れ動き始めた大鐘は、もう片手で押すだけで、ますます簡単に揺れを大きくすることができたということです。

なぜ10年後には潰れるのか

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起業も同じことです。起業も大鐘を動かすように非常に大変なことです。しかし、その困難を越え、起業できたことで安堵していると、大抵は倒産することになります。

事実、起業して、10年後まで「生存」しているベンチャー企業は、6.3%だということです。ちなみに、5年では15%、20年では、0.4%、30年後では0.021%。要は、新しい会社組織が設立されても、30年後には、1社が残るか残らないか(国税庁調査資料)ということです。

この数字からわかるように、起業は、実際、非常に難しいことは確かとしても、軌道に乗って、いざ、経営ということになれば、さらに厳しいと言わざるをえないかもしれません。極論すれば、起業より経営が難しいといえる。そのことは、前述のデータを想起していただければ、おわかりになると思います。「点」を打つのは簡単。しかし、まっすぐ「線」を引くのは難しいということ。そうです。起業は「点」ですが、経営は「線」です。

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インテル中興の祖、アンディ・グローブ。数々の英断で、プロセッサー半導体市場で無双の企業を作り上げた。グローブの愛弟子である、インテル全盛期のトップが語る技術経営の神髄。