現地取材で分かった「反トランプ」の異常熱気

これはよくある普通のデモじゃない

ロサンゼルス市庁舎前で声を上げるひとびと(筆者撮影)

「就任式翌日のロサンゼルス(LA)のウィメンズマーチ、行く?」――。ドナルド・トランプ大統領の就任式(1月20日)が行われる数日前、こんなテキストメッセージが、筆者と同じLAに住むサッカー仲間やテニス仲間から届いた。

「渋滞がイヤだから、私はダウンタウンの友人宅に前泊するけど」「私も行く。うちの姉はワシントンD.C.のマーチに参加するって」。そんなメッセージが飛び交う。サッカーやテニスの仲間たちの間では、普段、政治の話は出ない。誰がトランプ、またはヒラリーに投票したかを、お互い聞き合うこともない。あくまでスポーツでつながっている趣味の仲間だ。

だが、この「ウィメンズマーチ」に関しては、事前にデモの日時の情報が共有され、複数の友人たちが参加を表明していた。次々と送られてくるメッセージでそれがリアルタイムでわかる。デモ当日の午前中、原稿の締め切りに追われていた筆者は、LAの地元のテレビ局が実況中継するデモの様子をネットで見ていた。

これはよくある普通のデモじゃない

ヘリコプターからの空撮で、ダウンタウンを中心に人があふれている映像が流れる。ヘリが左右に動いてデモ参加者たちを俯瞰(ふかん)で映すのだが、通りはどこまでいっても人で完全に埋め尽くされていた。「こりゃ、とんでもない規模だ。今まで取材してきたどんなデモよりデカいぞ。群衆のサイズがわかるように、もっと上から映して!」という声が流れてくる。

番組のプロデューサーの声のようだ。自らの声がオンエアされてしまっていることに気づかず、興奮しながら、ヘリのカメラマンに向かって指示を出している。それを見た瞬間「これはよくある普通のデモじゃない。歴史の瞬間だ」と直感した。

筆者はカメラバッグをつかんでダウンタウンに向かった。

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