日本人とフィリピン人の“ウマが合う”理由 アジアにあって、西欧のノリがわかる国?

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フィリピン人は情に厚い

それに、フィリピン人は日本人がとても好きです。ほかの国の人は、自分たちの国の航空会社を使い、自分たちの国の人のお店で買い物をして、短期的にビジネスをして引き上げてしまうことがあります。それではフィリピンに経済効果をもたらしません。

でも日本人は、たとえば自動車会社など50年前からフィリピンに来て、経済が悪いときにも撤退せずに、ずっとビジネスを続けています。そして経済がよくなるとまたビジネスを拡大し続けてくれます。状況がよいときだけ来る国とは違うのです。そのことからフィリピンの人たちは日本をとても大切にしています。

たとえば2011年に津波があったときに、日本にいたフィリピンのあるIT企業の人は全員帰国せずに日本に残ったのです。今こそ、日本にいるべきだと思ったそうです。フィリピンの人は忠誠心を持ち、とても真面目でフェアな国民性なのです。

――家族をとても大切にすると聞いています。

商務参事官のディタ・アンガラ・マサイさん

パミントアンさん:日本にはフィリピンの女性が多く住んでいます。その人たちは家族を大切にして仕送りしていますね。

マサイさん:家族のつながりが深く、また家族も多いのです。7人家族というのも当たり前。一緒に住んでいる親戚まで含めて家族です。仕送りするのは子どものためだけでなく、親戚にも送るためなのです。

「人を助けることは当たり前」という価値観をベースとして持っています。まずは家族が重要で、その次に血縁関係ですが、道で誰かが困っていたら助けることも当たり前です。たとえば、私がここに赴任して来てすぐのときも、さまざまなことで皆が助けてくれました。子どももとても大切にします。

アジアと西欧の“パーフェクトブレンディング”

――では仕事上でも、部下の面倒をよくみるのでしょうね。

マサイさん:もちろんそうしたいですが、マネジャーがそこまでかかわれないときもあります。でも必要なことは部下から聞きに行きます。たとえば大使館の部署の場合、よくみんなで話しをして、質問があればすぐに聞きます。聞きすぎで「静かに」と言われるほどです。

――日本人は質問があっても、遠慮して聞かないこともあるので、わかりやすくていいですね。

マサイさん:日本人はセミナー中はあまり質問しないのに、終わった後から聞きに来ますよね。フィリピンの人は西欧とアジアの“パーフェクトブレンディング”なので、ちゃんと気持ちを表します。まあ、アジアの色のほうが強いですが。

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