なぜ今、「綱引き」がブームなのか 意外なチームスポーツに燃える人々

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知る人ぞ知る“社会人スポーツ”には、世界レベルで活躍する日本チームや選手がいることも珍しくない。今回紹介する「綱引(つなひき)」も、そんなスポーツ競技の1つだ。
2012年11月に公開された映画『綱引いちゃった!』(監督:水田伸生、主演:井上真央)は、実在した綱引チーム「大分コスモレディースTC」(※TCは綱引クラブの意)の活躍からヒントを得たものだ。同チームは、世界選手権で3度にわたり優勝している。
もしかしたら、今回取材する千葉の綱引大会でも、世界に羽ばたく綱引チームと出会えるかも……。そんな期待を胸に、大会に足を運んでみた。

 「オーエス、オーエス」では勝てない?

「ッシャー!ッシャー!」「シュイ!シュイ!」
 「イーシュ!イーッシュ!」

中央武道館内に綱を引く選手たちのブレス(呼吸)が響く。12月1日、千葉県市原市では「第30回千葉県綱引選手権大会」が行われた。

最も注目の高いチームは、日本の“綱引界”でも5本の指に入るといわれる強豪チーム「8'駆欧来」(バックオーライ)だ。

次の試合ではその猛者たちに、千葉の老舗チーム「下志津綱人(しもしづつなびと)」が挑む。

綱引の競技試合では、運動会などでよく聞かれた「オーエス、オーエス」という掛け声は聞こえない。“オー”で引くと“エス”で止まってしまうので、そこで綱を引かれるおそれがあるからだ。

声は出すほど体力を消耗するので、後方から指示出しをするアンカー以外、あまり声は発せず、選手は呼吸を合わせる。

「Pull(プル)!」という審判の合図で、ガチンコ勝負が始まった。全日本大会への切符がかかっている予選大会だけあって、応援にも熱が入る。

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