職場の「ミスマッチ人材」は、こうして決まる

サイバーが掲げる実力主義型終身雇用とは何か

サイバーエージェント人事統括本部長、曽山哲人氏(撮影:今井康一)

会社の人事から、「うちでやっていくのは厳しいんじゃないか」と言われるのは、どんな人にとっても怖いことだろう。日本の労働法では、一方的な解雇については厳しい制限がある。一方で、退職勧奨をすることは、強要にならない範囲であれば合法だ。

ネット企業大手のサイバーエージェントは、ユニークな人事制度を設けていることで知られているが、その中に、社員に対して部署異動または退職勧奨を行う「ミスマッチ制度」が存在する。こうした事実を公表する会社は珍しい。2011年に始まった当時、藤田晋社長は自身のブログで、「ミスマッチ制度は厳しいようですが、この会社で成長や昇進の見込みのないことを率直に伝えることのほうがよほど誠実だと思います」とコメントし、大きな話題になった。

5年近く経った今、実際の運用はどうなっているのか。サイバーエージェント人事統括本部長の曽山哲人氏に話を聞いた。

5%のミスマッチ候補者は、原則として必ず出す

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――「ミスマッチ制度」運用の流れは?

大きく言うと、警告、イエローカード、レッドカードの3ステップになっています。まず、事業部の評価者から、全体の中で5%程度、ミスマッチになりえる人材の候補者を上げてもらう。これは必ず出さなければならない義務としています。

――義務ということは、相対評価で決めるということですね。

そうです。100人も人間がいれば、それぞれに温度差があって当たり前。ミスマッチとなっている人が、数人はいてもおかしくない。ただ、大人数でなければ、たとえば10人の部署であれば出さなくてもよいとしています。無理にミスマッチ候補を探し出しても意味がない。機械的な運用はしないということも重要です。

ヒアリングをしつつまとめていき、100人程度のミスマッチ候補者リストを作り、これを各事業部の人事担当者と、私のような共通部門の人事が集まって、皆で読み込みます。そして、それぞれの担当者に説明してもらって議論をしたうえで、10人から20人くらいに絞り込み、それぞれ警告、イエロー、レッドのいずれに当たるかを決める。さらに、役員会で決議をし、最終的に認定するという流れです。

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