共和党でトランプ氏まだ圧倒的優位ではない 序盤戦終え、米大統領選の今後を占う

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スーパー・チューズデーで共和党で過半の州を制し気炎を吐くトランプ候補(写真:The New York Times/アフロ)

民主党と共和党の予備選挙と党員集会が集中的に行われた3月1日の「スーパー・チューズデー」と5日の「スーパー・サダデー」で大統領予備選挙の序盤戦が終わった。まず最新時点での両党候補者の代議員獲得状況を見てみよう。

民主党の大統領候補に選出されるためには代議員2383名を獲得しなければならない。他方、共和党は1237名が必要である。「スーパー・サダデー」が終わった段階での代議員獲得数は、民主党のヒラリー・クリントン前国務長官が646人、バーニー・サンダース上院議員が424名である。

ただ民主党には“スーパー代議員”という制度がある。大統領経験者、党の役員などが、選挙を経ず、独自に投票権を与えられている。スーパー代議員は予備選挙の結果に拘束されず、各人が独自に支持者を選ぶことができる。最新時点でスーパー代議員を含めた獲得数はクリントン候補が1104名、サンダース候補が446名である。スーパー代議員は党内のエスタブリッシュメントであり、仲間内であるクリントン候補支持に大きく傾斜している。ただ、スーパー代議員は選挙過程で支持者を変えることもあり、最終的には獲得者数は変動する可能性が残っている。党内エスタブリッシュメントから見れば“アウトサイダー”であり、過激な主張を展開するサンダース候補は最初から大きなハンディを負っていることになる。

ルビオ氏が差を縮める可能性

他方、共和党は"不動産王"ドナルド・トランプ候補の獲得代議員数は347名、テッド・クルーズ上院議員は267名、マルコ・ルビオ上院議員は116名、ジョン・ケーシックオハイオ州知事は28名である。メディアではトランプ候補の圧倒的優勢が伝えられているが、代議員数で見る限り、圧倒的に優位とはいえない状況である。党指名を得るために必要な過半数が1237名であるから、まだまだ"当確"を出すには道は遠い。

トランプ候補に対抗するクルーズ候補は地元のテキサス州では勝利し、102名の代議員を獲得している。他方、トランプ候補は47名に留まっている。クルーズ候補は、もしテキサス州で敗北することがあれば、選挙から撤退するとの意向を示していたが、同州での勝利で一息ついた感がある。

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