英国の名門新聞が、ついにネットに殺された 「インディペンデント」が電子版オンリーに
ニュース伝達の主役がインターネットになってから、すでに久しい。とはいえども新聞社にとっては、急にカジを切ることはできない。今でも、紙の新聞とウェブメディアの両立を目指そうとしているところが、ほとんどだ。
そんな中、2月12日に新聞界に衝撃が走った。英国の左派系高級紙「インディペンデント」(通称「インディー」)が、3月末で紙版を廃止し、電子版のみを発行する体制に移行することを運営会社ESIメディアが明らかにしたのだ。
全国紙が電子版に完全移行するのは、英国では同紙が初めて。紙のみならず新聞が最終的には消えてゆく未来図を想起させ、英新聞界のみならず、社会全体にとっても大きなニュースとなった。ガーディアンの記者は、インディーを「インターネットに殺された新聞」と呼んでいる(12日付)。紙版廃止までの経緯と今後の影響を分析していこう。
斬新な試みを次々と実践した、「初」続きの新聞
英フィナンシャル・タイムズ(FT)のライオネル・バーバー編集長は1990年から97年まで、インディーで記者として働いたことがある。12日付のFTで「インディペンデントは未知の領域に出航した」と題する記事を出した。「未知の領域」とは、「電子版オンリーになる」という意味だ。
インディーはいったい、どのような新聞なのだろうか。
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