恐いもの見たさに勝てないホラー映画の魅力 狂気や暴力に魅せられてしまう人の目線

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思わず目を背けたくなるほどの恐怖シーンもあります(写真:polkadot / PIXTA)
モノ情報誌のパイオニア『モノ・マガジン』(ワールドフォトプレス社)と東洋経済オンラインのコラボ企画。「たかみひろしのシネマ・ショウ」をお届けしよう。音楽・映像プロデューサーのたかみひろし氏が、毎回の特集するテーマに沿って必見のDVD/ブルーレイ作品を講評とともに紹介する企画。今回はホラーだ。

恐怖要素ミックス! 工夫を凝らした作品が増えている

今回はホラーの注目作を紹介しよう。どの作品もレンタルして見る分には充分楽しめるホラーばかりだ。このジャンルはさまざまなタイプの作品があり、近年はそれぞれの恐怖要素をミックスしたような作品も増えている。製作する側も(ネタ切れを意識しつつ?)工夫を凝らしているのだ。

幽霊・悪霊・怪物が露骨に登場するもの(オカルト~ハウス・ホラーものから、ずばり『呪怨』タイプまで)が、一応ホラーの王道なのだろうが、人間そのものの狂気や暴力などによるサイコ/スリラーの要素が強いものも根強い人気があるようだ。たかみの苦手なスプラッターなどもこちらの分野に属する。

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今回ご紹介の4作品で分類すると、『サプライズ』のみがサスペンス色の濃いサバイバル・スリラーで、残りの3本がオカルト/ハウス・ホラー系ということになる。クローズ・アップしたいのは、『死霊館』と『インシディアス 第2章』を撮った“新世代ホラーマスター”ジェームズ・ワン監督だ。まだ37歳の(中国系)オーストラリア人映画プロデューサー/監督/脚本家であるワンは、皆さんもご存じの空前のヒット作『ソウ』シリーズの生みの親だ。シリーズ2作目以降は製作総指揮を担っていたが、近年は再び監督として活躍している。むろん得意分野はホラー/スリラー系だ。

今回採りあげた2作品も手堅く大ヒット作となった。『ソウ』に続く新世代感覚の大ヒット・ホラー『インシディアス』はシリーズ化された。現在『ワイルド・スピード』シリーズの7作目を撮影中らしいが、ホラー映画の巨匠入りには、もう興味がないのだろうか?

マンスリー・アワードに選定した『死霊館』は、過去のハウス(オカルト)・ホラーの名作、『悪魔の棲む家』(1979年、2005年)、『ホーンティング』(1999年)、『ゴースト・ハウス』(2007年)などなどのシナリオを踏襲している。近年作では本欄でも紹介済みの『ドリームハウス』(2011年)あたりも同様だ。引っ越してきた(大抵は歴史ある)屋敷が実はゴーストや悪魔に憑りつかれた呪われた館だったというパターンは、名作(『アザーズ』2001年)から迷作まで数多く存在する。

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