北欧の名監督が仕立てたシリアス映画の魅力

奇妙な官能美や深層に潜む恐怖を描く

1人で見るのはちょっと勇気がいるかもしれません(写真:3dlabs2015 / PIXTA)
モノ情報誌のパイオニア『モノ・マガジン』(ワールドフォトプレス社)と東洋経済オンラインのコラボ企画。「たかみひろしのシネマ・ショウ」をお届けしよう。音楽・映像プロデューサーのたかみひろし氏が、毎回の特集するテーマに沿って必見のDVD/ブルーレイ作品を講評とともに紹介する企画。今回はたかみ氏の新境地だ。

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北欧の名監督が仕立てたシリアス映画をご紹介

今回はサスペンス/サイコ/スリラー/ホラーといった分野の作品を紹介しよう。たかみお得意のSF系ばかりでなく、コチラ方面も力を入れていきたい。といっても僕はスプラッターもの(とヘビメタ!)が苦手なので、その分野の作品はなるべく避けたいのが本音。しかし永遠に避け続けるわけにもいかず、大変困っている(苦笑)。

さて今回は子供や女性がカギを握るサスペンス、サイコ・スリラー、それも意識してさまざまな国の作品を取り上げてみた。中でも注目したいのが、北欧に多数存在する俊英監督たちだ。

すでに数度取り上げてきたラース・フォン・トリアーを筆頭に、以前マンスリー・アワードに選定し、近年では最高の1本と評価したい「裏切りのサーカス」のトーマス・アルフレッドソン、そして「隣人/ネクスト・ドア」と今回の特選に選定した「チャイルドコール」の監督ポール・シュレットアウネ等々だ。「チャイルドコール」は、「初期ロマン・ポランスキーへのオマージュ」と評されたようだが、僕はやはりヒッチコックからの強い影響を嗅ぎ取った(監督自身は「サイコ」がお気に入りらしいが、当然だろう!)。

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「イノセント・ガーデン」は、あの「アリス・イン・ワンダーランド」(2010年)のミア・ワシコウスカが、ニコール・キッドマン、マシュー・グード(「ウォッチメン」2009年)を相手に、体当たりの(?)競演で迫るエロティック・サスペンス。

「フリア よみがえり少女」は、スペインの伝説的カルト・ムービー「ザ・チャイルド」(1976年)や戦慄のホラー・サスペンス「エスター」(2009年)のテイストを兼ね備えた、才能ある監督アントニオ・チャバリアスのデビュー作。それにしても、「よみがえり少女」というサブタイトルはなんだかなあ(単に「フリア」じゃだめなんですか?)。

「消えたシモン・ヴェルネール」は、ガス・ヴァン・サント監督の「エレファント」(2003年)を彷彿とさせると評されたフランス発の新感覚サスペンス・スリラー。パリ郊外の高校で起こった“謎の生徒連続失踪事件”を、主要人物それぞれの視点から描いて、この不可解な事件の真相にたどり着くという構成。本作で描かれるフランスの高校生たちの学園生活が、あまりにも日本のそれと変わりないのが妙に印象的だった。

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