恐いもの見たさに勝てないホラー映画の魅力 狂気や暴力に魅せられてしまう人の目線

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『死霊館』

『死霊館』(2013/アメリカ/112分)

「60年代からロレインとエド・ウォーレン夫妻は心霊現象の研究家として知られるようになった。ロレインには透視能力があり、エドは教会が唯一公認した悪魔研究家。今まで数多くの事件を解決してきた夫妻が誰にも語らなかった最も邪悪な事件があった。これは実話である」 こうして始まる『死霊館』は、懐かしきオカルト・ホラー・テイストいっぱいの傑作だ。原タイトルの「The Conjuring」とは(呪文を唱えて)死霊を呼び起こすというような意味。

1971年、ロードアイランド州の人里離れた地に建つ古い屋敷に、ロジャー&キャロリンのペロン夫妻と5人の娘たちが引っ越して来る。念願のマイホームを手に入れた一家は新生活に胸躍らせるが、翌朝からさまざまな怪奇現象に遭遇する。“何か”の存在を確信したキャロリンは、数々の心霊現象を解決してきた“ゴーストハンター”ウォーレン夫妻に助けを求める。泊まり込みの調査を開始したウォーレン夫妻とペロン一家を、古の館に憑りつく“何か”が容赦なく牙をむく……。ラスト近くの悪魔祓い~魔女とのバトル・シーンは『エクソシスト』に劣らない大迫力だ。

本作と『インシディアス 第2章』は、共に2013年製作のジェームズ・ワン監督作品で、同じパトリック・ウィルソンが主演のオカルト・ホラーもの。2本続けて見ると、なんだか『インシディアス』のスピン・オフ作品を鑑賞してるみたいな気分になる。

キャスティングはウィルソンのほか、『エスター』のヴェラ・ファーミガ! 越してきた妻キャロリン役は見覚えがあると思ったら、あの『ホーンティング』の主演のひとりだった。ホラー映画の役者はそろった(=適役!)といえよう。それにしても、呪われた人形アナベルは、悪魔の人形チャッキー(『チャイルド・プレイ』シリーズ)に似すぎ!?

(文:たかみひろし 音楽・映像プロデューサー/ライター、
『モノ・マガジン』2014年9月16日号掲載記事を一部加筆・修正)

モノ・マガジン編集部

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