現在の治療で広く使われている「トリプタン」という薬は、日本では2000年から処方されるようになっている。だが予防薬ではなく症状が出てから使う薬であるうえ、症状が重い人にとって効き目は弱く、新しい薬が待ち望まれていた。そこに登場したのが冒頭の新薬3つだ。
患者数の多い疾患であるにもかかわらず、片頭痛が起きるはっきりした原因はこれまでわかっていなかった。痛みが起きるメカニズムにはいくつかの説が提唱されてきたものの、2010年代になり、ようやく悪さをしていた”犯人”を捕えた。それは、顔の感覚を脳に伝える神経から放出される「CGRP」という物質だった。
新薬の開発が一斉にスタート
ズキンズキンと脈打つような拍動性の痛みは、脳の血管が拡張することによって、血管の周りを囲んでいる神経に触れて起こっている。CGRPは、片頭痛のトリガーになる特定のストレスや天気の変化などの要因によって神経が興奮すると放出される物質のこと。その働きによって脳の血管を拡張させてしまうのだ。
この記事は有料会員限定です
残り 1238文字
