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ビジネス #なにわ社長の会社の磨き方

食肉機械の「なんつね」、トップシェアの秘密 「町のお肉屋さんが儲かるビジネス」を意識

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  • 竹原 信夫 日本一明るい経済新聞 編集長
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「なんつね」は、南社長の曽祖父が刃物業を営んでいたのが始まりです。ある日、オランダ製のスライサーで使われている丸い刃物を作ってほしい、という注文がありました。

曽祖父はその刃物を使って、すき焼き用の肉を切れないかと発想し、1929年にスライサーを開発しました。わが国初の食肉切断機の誕生です。柔らかい不定形の肉を一定の重量で切る技術がなんつねの強みです。創業者が刃物職人であることから刃物へのこだわりも強く、さらに3Dスキャニングは日本では同社だけの技術だそうです。

ただ、なんつねの食肉切断機は、最低でも200万円近くします。町のお肉屋さんが、おいそれと買えるものではありません。それでなくとも、大型店の出現で小規模の肉屋は厳しい状況に追い込まれています。なかなか購入資金を捻出できません。

そんな中、なんつねの女子社員の1人が声を上げたのだそうです。

「町のお肉屋さんを見捨てないで」

その声をきっかけに、2014年に新たなプロジェクトが発足します。町のお肉屋さんが儲かるビジネスを、会社として提案していこうと考えたのです。

町のお肉屋さんが儲かるビジネスを考えたが・・・

声を上げた女子社員も含め4人のメンバーが、町のお肉屋さんの要望を聞いてまわり、どうしたら儲かるかを研究することにしました。

たとえば、タンの先端や肉の切れ端など、そのままでは売れない端材肉に注目。ドイツで150年の歴史を持つ老舗のお肉屋さん「メツゲライ・マーティン」とコラボし、本場のスパイスを使って、おいしいハムやソーセージを作りました。社内のテストキッチンで作ったサンプル商品を町のお肉屋さんが消費者に販売。お客の反応を確認し、お店が本格的に商品化するとなると、燻製機などの関連機械を購入してもらえる、という戦略でした。

ところが、機械本体への注文ではなく、オリジナルのハムやソーセージを売ってほしい、との声が数多く寄せられるようになりました。

そこで、路線を変更。本社敷地から歩いて5分の所に、ハム、ソーセージ、べーコンなどを販売するお店「ミート・デリ・モ~スト」をオープンすることにしました。

ミート・デリ・モ~スト作業風景(写真:なんつね)

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【メーカー、販売店と顧客の懸け橋になりたい】

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