見て、触って学べる時代に!
Z会が小学生タブレットコースを開始
タブレットを利用した学習の具体的なメリットとしては、ポータビリティ(どこでも学習できる)、視覚性(見て、読んで、聞く)、タッチ(ペンや手で動かして理解すること)などが挙げられる。ほかにも自動採点や英語での音声認識(英語の音声を流すだけでなく、子どもの声を認識して、採点する機能)などがある。
「最近、お子さまの理解度に応じたかたちで行うアダプティブラーニングが注目され始めています。Z会の小学生タブレットコースでは、必修問題の出来や、取り組み状況に応じて、次の問題を出し分けるなど、ステップをきちんと踏んで理解させることを重視しています」
大事なことは苦手意識をつくらないこと
黒木氏は、低学年の子どもを持つ保護者からよく相談されることがある。その一つが「どこに気をつけて勉強させればいいのか」だという。
「大切なのは、苦手分野、苦手意識をできるだけつくらないことです。一度、苦手意識をつくってしまうと、大学入試まで引きずってしまうことになりかねません。苦手分野をつくらずに、いかに学習を積み重ねられるか。ほとんどの子どもは"褒められたい”"認められたい”といった承認欲求を持っています。幼少時に先生や親に認められるからこそ、自我は安定して育まれるのです」
そのため、Z会の教材でも、「褒めて伸ばし」、そこから「チャレンジさせる」方法を採っている。つまり、「目指すべき自分になるために自分でがんばって努力したね、偉いね」というように、子どもの背中を押し「自立を促す」イメージだ。
「親は褒める部分まではできますが、そのもっと先まで広く学習できるのが、このタブレットコースです。たとえば、総合学習では、『視野を広げる』『多角的にモノを見る』『いろいろな分野に興味を持つ』といった能力をできるだけ低学年のうちから、しっかりと刺激を与えて、引き出していきます。そうすれば、社会に出たあとも活躍できる人材になれる。その意味でも、タブレットでできることは今格段に拡がっているのです」
子どもが感動する仕掛け
教材開発において留意した点は何だろうか。黒木氏は次のように語る。
「一番大きいのは、書くこと、つまり記述力重視だということです。しっかり考えさせて、書かせるというところに最終的に持っていく。たとえば、このタブレットコースには入力ツールとして文字認識エンジンとペンツールがありますが、問題によって、どちらのツールを使えば理解が深まるのか、その一つひとつを吟味して問題ごとにツールを選定しています。小学生がどのツールだと取り組みやすいのか、また学習効果が上がるのかという視点で選んでいるのです」