浦安市

2016年、浦安市はさらなる発展を目指します 浦安市

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日本の難題に切り込む
政策先進都市

─ 浦安市が挑む先進的な施策とは、たとえばどのようなものがあるのでしょう。

松崎 全国の市町村は、人口減少による「消滅可能性都市」問題に戦々恐々としています。多くの市町村は、対策をとるための財源の確保に苦慮しており、我が国の最大の問題である、少子高齢化・人口減少問題に対して有効な手立てを見いだせていないのが現状です。しかし、浦安市は財政的に自立した自治体なので、独自の政策を打ち出せます。

そこで、子育て支援策として、06年度から「子育て・家族支援者養成講座」を実施して、子育て経験のある人たちに、最新の子育て事情などを学んでもらい、身近な相談相手のいない核家族の若い親、人材不足の保育のサポート役になってもらっています。この仕組みの一部は、15年度から始まった国の「子育て支援員制度」に取り入れられました。現場で市民の声を聞きながら、日本のモデルとなる政策を展開することができるのが浦安市なのです。

─ 新興住宅地の浦安市でも少子化対策が必要なのですか。

松崎 日本の高齢化率は25%を超えますが、浦安市は15%台と全国で最も若い自治体の一つです。しかし、市内を丁目別に見ると、1%台から40%台までばらつきがあり、15年3月には小学校1校が廃校になりました。市としても少子化を深刻に受け止めています。

─少子化対策には何が求められるでしょうか。

松崎 海外の先進モデル、フィンランドの子育て施設「ネウボラ」にならって、出会い、結婚、妊娠、出産から子育てにわたる切れ目ない支援に取り組んでいます。ただ、子育て支援の中心となっている保育士資格者の確保が浦安でも難しい。そこで、市が資格取得費用を貸付け、取得後に市で勤務すれば返済を免除する制度を導入していきます。同制度を使って、生活の苦しいひとり親に資格取得を促せれば、自立につながる一石二鳥の策になるでしょう。

さらに、「児童育成クラブ」の入所要件の緩和など、学童保育充実も図っていきます。これまでは、保護者のフルタイム勤務を前提としていましたが、ミニ集会で、小学校低学年の子どものお母さん方から、完全復職前の助走として、週2日程度の勤務でも受け入れてほしいという切実な思いを聞いて実現に取り組んでいきます。

また、これまで市が開催している「婚活in浦安リゾート」は人気です。婚活に市が直接関わることでより信頼度と信用度が増え、カップルのマッチング率が驚くほど高まっています。

─ 高齢化にはどのように取り組みますか。

松崎 高齢化自体は、長生きという人類の夢がかなった喜ばしい話です。問題は、健康に過ごせる健康寿命を伸ばすことにあります。そこで、歩いた歩数などに応じてインセンティブを付与する事業や、パークゴルフ場などのシニア向けスポーツ施設整備を進めています。

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