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訪日外国人を取り込み
国内ツアーを活性化

ここ数年で日本を訪れる外国人旅行者の数は急増している。東日本大震災以降減少傾向にあった訪日外国人旅行者も、12 年から増加を続け、15年1~10月で約1631万人に到達、すでに前年の約1341万人を上回る過去最高を更新、年内には1900万人を突破すると見られている。彼らが訪れるのは、東京、富士山、大阪、京都などが中心だが、13年ごろからその傾向に変化が生じている。そこには、やはり感動を通じて人を集めてきたJTBグループの姿がある。

JTBグループ本社
グローバル事業本部
訪日インバウンド事業推進室長
中島節郎

「始まりは、日本人向けに開発されたバスツアーに外国人を混乗させたこと」と語るのは、JTBグローバル事業本部・訪日インバウンド事業推進室長の中島節郎氏だ。JTBの国内旅行には、全国から人が集まって催行される添乗員同行の募集型バスツアーがあるが、これはあくまでも日本語が通じる日本人を対象に設定されたもの。外国人向けには、通訳案内士が同行する「サンライズツアーズ」が用意されている。

しかし、欧米などに目を転じれば、その国の母国語で案内する募集型ツアーにさまざまな国の旅行客が参加しているのが実態だ。海外経験が長かった中島さんはこの点に着目し、「外国人旅行者が増加する今、日本人向け募集型ツアーを外国人に開放してみてはどうか」と提言したそうだ。早速、14年からJTBの訪日外国人向け宿泊・ツアー予約サイト「JAPANiCAN.com」に、北海道で催行する日本人向け募集型バスツアー(エスコーテッド・ツアー)の広告を掲載したところ、予約が漸次増加。「日本人が好んで行く穴場や旬なスポットに行けたり、日本らしいサービスが随所に光る旅館に泊まれたりする」という口コミが広がり、現在では外国人専用のエスコーテッド・ツアーが催行されるほどになっている。

日本酒、ワイン、ウイスキーなど北海道各地にある酒蔵を巡るスタンプラリー「パ酒ポート」。英語版も発行したところ訪日外国人の心もつかみ人気を博している

「こうしたニーズはほかのエリアにもあるはず」と判断し、立山黒部アルペンルートなどにもエスコーテッド・ツアーを設定。外国人旅行者のおかげで、募集型バスツアーの活性化にもつながっている。

 

 

 

 

 

【受け継がれるSpirit3
JTB&ハワイ

日本人に人気の海外リゾートと言えばハワイ。実際、ハワイを訪れる日本人観光客は年間約151万人と米国に次ぐ規模となっているが、そのうち約43万人もがJTBグループを通じてハワイへ行っている。しかも「日本人が行って楽しい、快適、また来たい」と思えるリゾートとしての基盤を整えるために、これまでJTBグループは並々ならぬ努力を行ってきたのだ。

たとえば、英語に不慣れな日本人が、提示するだけで食事ができるようミールクーポンを発行したり、部屋から海が見える、見えないといった展望などでホテルの部屋にグレードを付け細分化したりと、旅の安全やジャパンクオリティを現地で提供するためのさまざまな取り組みを行ってきた。極め付きは、ホテルやショッピングエリア、観光スポットを巡回するトロリーバスを最初に始めたのがJTBグループだ。自由に乗り降りができ効率よく島内を回ることができる同サービスは、いまや業界標準のサービスへと定着している。

こうしたハワイでの経験が、土地の資源を掘り起こし、磨くJTBグループの強みを世界へ通用するものへと育てたと言ってもいいだろう。

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