そんななか、寺田が行方不明になり、2人で協力して捜索する。一方、山岸の寺田に対するハラスメント行為に性加害もあったことを知った英理子は、プロジェクトの成功に欠かせないキーマンだった山岸を更迭する。しかし、英理子の意に反して山岸は他部署異動で昇進する栄転になった。
その理由を知った英理子のなかで何かが崩れる。そして今週放送(11月3日)された第4話で事態は急展開を迎えた。
行方不明だった寺田は唐突に職場復帰。会社を通して受けたカウンセリングによって、一見、心身ともに回復しているように見える彼は、プロジェクトに復帰し、山岸の代わりにリーダーに就く。
一方、寺田の変化が腑に落ちないゆりは、カウンセリングでの洗脳を疑う。そこでゆりが抱える過去の闇と、恋人でもない寺田の救済に執拗にこだわる理由が明らかになる。
倫理観よりも企業が優先に
同時に英理子は、会社員およびひとりの女性としての人生の選択を迫られる急展開を迎える。パワハラとセクハラを巡って窮地に立たされた中間管理職が対峙するのは、企業組織の論理という大きな壁だ。組織のなかの思考や判断基準は、いつの間にか企業優先が当たり前になっていて、一般的な倫理観とズレているケースが少なくない。当人たちはそれに気づかない。
プロジェクトの成果を示す数字の不正な操作に罪悪感がない。実績の改ざんを英理子に指摘された山岸も寺田も悪びれず、プロジェクトと会社のためと言い放つ。
英理子が仕事へ向き合う指針として部下に示した「小さな正しさにこだわらず、広く大きく物事を見る」が曲解され、部下の意識に染み付いていた。
一連の事態を通して、英理子は自身および会社組織を客観視できるようになり、企業の論理と人としての良心の間で揺れる。自身の出世を棒に振っても、倫理的に正しい選択ができるか。そんな局面に立つ。
身につまされるビジネスパーソンは少なくないのではないだろうか。トラブルの内容の違いや規模の大小の差異こそあれ、それぞれの立場でこうした事態に巻き込まれた経験のある組織人、もしくはそれを間近に見てきた企業人にとって、本作で描かれる内容は他人事ではないに違いない。
だから、英理子や山岸、寺田に感情移入し、彼らの行く末を固唾を飲んで見守る視聴者が増えるとともに、世の中的な関心を集める話題作になっているのだろう。


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