本作の主人公は、大手企業の幹部候補である宮木英理子(吉田羊)50歳。出世の野心を抱き、仕事を最優先に生きることで、男性組織を実力でのし上がってきたキャリアウーマン。夫は同じ会社のコンプライアンス室に所属する。英理子は企業イメージがかかる一大プロジェクトを手がけ、その成功によって念願の取締役昇進が目前に迫っていた。
主人公はハラスメント行為を隠蔽
ところがプロジェクトのリリースを目前に控えるなか、チーム内に問題が勃発する。チームの中核を担う山岸(小久保寿人)によるパワハラ行為を部下の寺田(加藤清史郎)が訴えて休職。上司でありチーム責任者の本部長・英理子(吉田羊)は、プロジェクトの進行を優先し、寺田に寄り添わないばかりか隠蔽を図る。
すると英理子のもとにハラスメントをもみ消そうとしたことを告発する匿名の脅迫文が届く。その差出人であり、メールセンターで働く派遣社員のるり(南沙良)は、英理子に正面からぶつかり、その場しのぎの対応を厳しく非難。問題が正当に裁かれるよう迫り、自らもコンプライアンス室に訴え出る。
第1話〜第2話は、プロジェクトと自身の立場を守ろうとする英理子をるりが徹底的に追い詰める展開だった。社内で下から突き上げられ、上は取り合わず責任を押しつける。ことなかれ主義の名ばかりのコンプラ室の夫は逃げる。その狭間で保身に走る英理子の姿を映した。
英理子が置かれる状況には、身の回りにふつうに起きていそうなリアリティがある。ハラスメント行為を行っていた社員・山岸の立ち居振る舞いや思考は、程度の差こそあれ、どこにでもいる会社員の姿にも映る。
そこには、ひりつかせるような会社組織のリアルがあった。窮地に陥る英理子に、反発や共感など場面によってさまざまな感情が呼び起こされる。描かれるのは、恐怖さえ感じるような会社組織を舞台にするサスペンスだ。
しかし、第3話から物語の流れに変化が訪れる。
山岸の処罰と寺田の救済を執拗に迫るゆりに対して、当初は保身のために動かされていた英理子だが、ゆりとの対峙を通して組織が抱えるゆがみや理不尽な企業の論理に疑問を抱きはじめると同時に、2人の距離が縮まる。


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