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ライフ #神童だったあの子の今

「中3で数学オリンピック入賞」「東大現役合格」苦労知らずの彼が「努力すれば何とかなる」考えを変えて官僚になったワケ

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官僚として働くIさん。幼少期には「苦労を知らないままだと将来困る」と言われていた
官僚として働くIさん。幼少期には「苦労を知らない」と言われ続けた(写真:本人提供)
  • 新倉 和花 東京大学法学部卒・麻雀プロ
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子どもの頃から予告されてきた、大きな苦労や挫折。今の話を聞く限り、それを経て別人になった、という人生ではない。

勉強は得意なままで、受験も採用試験も通った。ただ、自分の能力や置かれた環境を、どう受け止めるかが変わった。

「あのとき、日本の将来を担うとか言っている友達を冷笑していた自分が、官僚かあ、と思うと、なんだか不思議な気持ちになりますね」

順調に進んできた自分の足元を見直すと…

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幼い頃は、掛け算を99×99まで覚えようとした。得意なことを広げるのが面白かった。大学に入り、今度は、その得意さが誰にでも同じように使えるものではないと知った。Iさんの進路を変えたのは、自分には解けない難問ではなく、ノートを開かない生徒だった。最初は相手の態度に戸惑い、やがて自分が当然だと思ってきた条件を問い直した。

神童と呼ばれるような能力が、そのまま社会への関心につながるとは限らない。Iさんの場合、その間にあったのは、友人の言葉と、自分とは違う生活を送る生徒たちとの出会いだった。大きくつまずかなければ、見えるものは増えないのか。彼の歩みは、そうとは限らないと感じさせる。順調に進んできた自分の足元を見直すことも、その後の道を変える経験になる。日本の将来を語る友人に驚いた青年は、今、その言葉を自分の仕事に重ねている。

官僚として働くIさん。幼少期には「苦労を知らないままだと将来困る」と言われていた(写真:本人提供)

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