有料会員登録
ライフ

巨人選手が"帽子を脱がない"だけで大炎上…松井秀喜新監督の「挨拶動画」が浮き彫りにした球団公式SNSの危うさ

6分で読める
松井秀喜
読売ジャイアンツの公式Xが投稿した動画が物議を醸している(画像:読売ジャイアンツ公式X @TokyoGiantsより)
  • 徳重 龍徳 コラムニスト、エンタメ評論家
2/3 PAGES

球団公式SNSを巡る騒動は、今回が初めてではない。

巨人の公式Xは、2026年4月にも投稿内容が物議を醸している。4月4日のDeNAとの試合で、巨人の投手が筒香嘉智選手に死球を与えた。筒香選手が途中交代する事態となった一方、巨人公式Xはその回を無失点で抑えたことを報告し、親指を立てた絵文字を添えたのだ。

これに対して、DeNAファンなどから「相手チームの主砲に当てて、なんでこんな投稿できるんだ」「配慮すべきだ」などと批判が起き、投稿は削除された。当然ながら、巨人の公式Xに相手選手の負傷を喜ぶ意図があったとは考えにくい。しかし、相手球団のファンからは違った意味に受け取られてしまった。

他球団にも公式SNSを巡る問題はある。

2021年には、日本ハムの球団公式SNSが公開した動画が問題になった。同年4月11日、球団公式X(当時Twitter)に投稿された試合前の円陣動画に、万波中正選手の肌の色を揶揄するような発言が収録されていた。その後、動画の内容が問題視され、球団は投稿を削除。8月31日には球団社長名で謝罪文を発表し、差別的な発言があったことを認めるとともに、動画公開時のチェック体制が不十分だったことも謝罪した。

もちろん、日本ハムのケースは実際に差別的な発言があったことが問題であり、今回の巨人の脱帽騒動とは性質が異なる。また、巨人の死球を巡る投稿では、発信する言葉の配慮が問われた。それに対して、今回の脱帽騒動は、球団が公開した何気ない映像が選手への批判につながったという点で、より難しい問題を含んでいる。

素の一面を見せるからこそ事故も起きうる

そもそも球団公式SNSは、試合中継やメディアの取材だけでは伝わらないものを配信することで、ファンに選手への親近感を持ってもらい、新たな一面を知ってもらおうとするものだ。球団スタッフが撮っている分、選手もほかとは違う素の一面を見せることも魅力だ。一方で、時にメディア対応では起こらないような“事故”につながる。

だが、映像に映っているものがすべてではない。今回の挨拶動画についても、映っているのは選手たちと松井新監督との短いコミュニケーションにすぎない。帽子を脱ぐという所作を礼儀として大切にする人がいること自体は理解できるが、帽子を脱がなかったという一点だけで、その選手が監督を軽視しているとは限らない。スターであった監督を前に緊張して帽子を脱ぐのを忘れた可能性もある。

ところがSNSでは手軽に視聴でき、批判の対象となる場面が明確であるほど議論が広がりやすい。今回も話題となったことで帽子を脱がないという行為以上の嫌悪感を持つ人が出てはいないか。だからこそ、発信する側も見る側も意識する必要があるだろう。

ドラ1ながらも伸び悩む、浅野翔吾選手と話す松井新監督。この光景だけでも期待が膨らんでくるものだ(画像:読売ジャイアンツ公式X @TokyoGiantsより)
3/3 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数