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巨人選手が"帽子を脱がない"だけで大炎上…松井秀喜新監督の「挨拶動画」が浮き彫りにした球団公式SNSの危うさ

6分で読める
松井秀喜
読売ジャイアンツの公式Xが投稿した動画が物議を醸している(画像:読売ジャイアンツ公式X @TokyoGiantsより)
  • 徳重 龍徳 コラムニスト、エンタメ評論家
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国民的スポーツとしてプロ野球の人気は高く、選手に対する思いが強い人も多い。それが時に攻撃的な言葉につながる。

2023年にはNPB、12球団、日本プロ野球選手会が共同で声明を発表。選手だけでなく、その家族や球団関係者に対するSNS上の誹謗中傷について、注意を呼びかけた。翌2024年には選手会が、悪質な投稿者に対する発信者情報開示請求や、損害賠償を伴う示談が複数成立したことを発表している。

今や選手への誹謗中傷は、個々の選手が我慢すれば済む問題ではなく、球界全体で対処しなければならない課題となっている。

だからこそ、選手への攻撃が起きた後に対応するだけでは十分とはいえない。球団自身が選手の何気ない姿を積極的に発信するようになった現在、広報もまた、そうしたリスクと無縁ではいられなくなった。

公式SNSだからこそ慎重さが必須に

では、球団公式SNSはどうあるべきだろうか。

ファンにとって、選手の日常やロッカールームでの様子を知ることは、球団を応援する楽しみの一つだ。練習風景や選手同士のやり取りなど、試合中継だけでは伝わらない魅力を球団が直接発信できる。それは球団にとって大きな武器であり、ファンとの関係を深める重要な手段でもある。

だからこそ「この投稿は、選手にどのような影響を与える可能性があるか」と配慮する慎重さが求められる。公式SNSの担当者は、再生回数や反応の多さだけでなく、動画がどのような解釈をされるのかも考える必要がある。

そんな細かいことを批判する人間は無視すればいい。そんな考えを持つ人もいるかもしれない。ただ帽子を脱がなかったことで、これだけ多くの反響、批判を呼んでしまうのが現在のSNSだ。重箱の隅をつつかれるのを想定した運用は心がけるべきだろう。

ただ、どれほど慎重に発信しても、悪意のある解釈や誹謗中傷を完全に防ぐことはできない。それをすべて広報担当者の責任にするのはまた酷だ。

映像の一部分だけで選手の人格を決めつけ、攻撃する側にも問題がある。だからこそ例えば、短いダイジェストを公開する際には、可能な限り前後の文脈が伝わる編集を心がける。誤解が広まった場合に補足説明ができるようにしておくことが大事になる。

球団公式SNSは、選手の魅力を伝えるために存在しているが、時にその発信が意図せず選手を傷つける結果につながることもある。だからといって、批判を恐れて何も発信しなくなれば、ファンは選手の新たな魅力に触れる機会を失ってしまう。

大切なのは、炎上を起こさないことだけではない。炎上が起きたときに、球団が選手をどう守るかの用意だ。選手の魅力を発信するだけでなく、選手が安心して発信される環境を作る。球団広報に求められるものはより多くなっている。

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