11月2日に行われたGMOインターネットグループの熊谷正寿社長の記者会見が波紋を広げている。同社グループのサービスに対する不正アクセスによって顧客の情報流出や金銭的被害が発生した問題を受けて、謝罪と説明を行った。しかし、会見では感情が高ぶって涙を流したり、質問の趣旨から外れた回答を繰り返したりする場面が目立ち、その言動に批判や疑問の声が上がっている。
会見での熊谷社長の言動に批判の声
今回の問題は、GMOインターネットが提供するFX自動売買向けのクラウドサービス「お名前.com デスクトップクラウド」がサイバー攻撃を受け、顧客の資産に被害が生じたというものである。攻撃者は8月5日に顧客のサーバー環境に侵入していたが、同社が異常を把握したのは10月20日だった。さらに、2024年4月の段階でグループ内のセキュリティー専門会社からシステムの脆弱性を指摘されていたにもかかわらず、十分な対策が取られていなかったことも明らかになっている。
会見で求められていたのは、このような事態がなぜ起きたのか、経営陣にはどのような責任があるのか、被害者への補償や再発防止策をどうするのか、という具体的な説明だった。実際に会見では、熊谷社長が謝罪するとともに、同社の幹部が事件の経緯や対応について説明した。役員報酬を減額する方針も発表されており、企業としての対応が示されなかったわけではない。
しかし、問題となったのは、その後の熊谷社長の言動である。熊谷社長は約30分にわたってAIの発展やインターネットの未来、自身の経営理念などについて熱弁を振るい、その途中で涙を流した。質疑応答でも、質問に端的に答えるのではなく、自身の人生観や経営理念について熱く語る場面が目立った。
特に注目を集めたのが「命の砂時計」という独特の言い回しである。熊谷社長は、自分の人生をインターネットと会社に捧げてきたことを説明するためにこの言葉を繰り返し使用した。さらに、記者からの質問に対して、同じ回答をすると時間の無駄になるという趣旨でこの表現を使う場面もあった。SNSでは「命の砂時計」という言葉そのものが話題になり、会見の主旨と関係のない彼の説明を長々と聞かされる時間こそが無駄だったという皮肉も飛び交った。


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