「世代が違うから」と擁護する人がいれば、「世代が違うからと擁護する事に、これからの日本の文化に危機感を感じてしまう」と嘆く人が現れる。「世代」というラベルが、批判にも擁護にも同じように使われているのだ。
「今どきの若者は…」は、誰にでも起きる錯覚
「今どきの若者」だから礼儀がないのか。それを検証した研究は筆者が探した限りでは見つからなかったが、アメリカで面白い研究があった。「今どきの子どもは年長者を敬わない」という見方は、人間の認知のクセだというものだ。
アメリカの成人約1800人を対象にした研究(※1)では、人々が「今の子どもは、自分が子どもの頃より年長者を敬わなくなった」と考える傾向が示されていた。しかも、権威を重んじる傾向が強い人ほど、その見方が強かった。程度の差はあれ、これは特別な人の話ではなく、誰にでも起こりうる。
この研究では、この見方が生まれる仕組みとして、2つの理由を挙げている。
1つは、自分が得意な分野なので他人の欠点に目が向きやすい傾向。もう1つは、今の自分の姿を、子どもの頃の自分や仲間に重ねて思い出してしまう、記憶のクセだ。「自分たちの頃はきちんとしていた」という実感には、そうした記憶の補正が含まれているのかもしれない。
ただし、この研究が調べたのは、アメリカの大人が「今の子ども」をどう見るかというものなので、今回のケースにそのまま当てはまるとは言えない。


※ログイン後、コメント入力が可能です。