フランスで2026年8月末から始まった高校生のデモは拡大しながら続いている。
最初は、教室がすし詰めだ、机や椅子も足りない、数学の教師がいない、酷暑なのに冷房がないなどと訴える高校生たちの抗議だった。これに、マクロン政権が2018年に導入した大学入試制度(パルクールシュップ)への反発も重なった。
パルクールシュップとは、全国大学一括共通願書提出システムともいうべきものである。それ以前、グランゼコールなどの一部エリート校を除き、フランスの公立大学は、国家試験(バカロレア)に合格しさえすれば、無選考で誰でも希望の大学に進学できた。生徒が志望校を順位付けすると、生徒の志望順位が最も高く、かつ定員に空きがある大学に行けるというものだった。
公立大学は生徒を書類や面接などで選考することが法律で禁止されていたため、高校時代の成績や試験の点数は合否に一切関係なかった。その大学がある学区に住んでいるかどうか、生徒がそこを第1志望にしているかどうかで決まる。当然、定員オーバーが生じるが、その場合は抽選で合格者を決めていた。
これはおかしいと、マクロン政権が18年に、高校の成績や志望動機を見て大学側が選考できるようにと導入したのがパルクールシュップだった。ところが、新システムは選考基準が不透明として現在の高校生デモの標的にもなり、28年の新学期から別の制度に置き換える方針が発表された。
高校生の抗議デモが暴動に発展
そもそも、抽選でも成績による選考でも、不満を抱く生徒はいるのではないか。これでデモが起きるなら、日本の大学入学共通テストで暴動が起きてもおかしくない。また、異常気象前のヨーロッパは冷房がないのが当たり前だったから、急に冷房を入れろと言ってもすぐには対応できない。
ただし、これら以外の高校生の要望は当然のことだ。フランスでも少子化が進んでいるのに、なぜ教室がすし詰めになるのか理解できない。そしてガソリン価格の高騰をはじめとするインフレや、財政赤字の削減のために年金や公共支出の削減を求めるマクロン政権への反発から、高校生から始まったデモに労働組合や大学生、農民なども合流して大規模化した。
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