『VIVANT』とサンリオのコラボ終了の一件では、下記の2つのリスクが重なって起きた事象と考えられる。
2. 海外市場の歴史認識、政治・社会環境の違いから生じるグローバルリスク
前者は作品を事前に十分確認できないという構造的な問題であり、後者は国境を越えて事業を展開する企業ほど深刻になる問題だ。
コンテンツビジネスの拡大に必要なリスク管理
作品と企業・行政機関のタイアップをめぐっては、ほかにも企画趣旨や起用の妥当性が問われ、見直しに至る例がある。タイアップは作品の魅力を借りて価値を最大化する仕組みであると同時に、作品への評価や批判を引き受けるリスクもある。
さらに、リスクは国際政治や暴力描写だけではない。人種やジェンダーの表現、制作現場をめぐる問題、出演者の不祥事など、作品の外側で生じる出来事が協業企業に波及する可能性もある。
『VIVANT』に関してもジェンダー描写がステレオタイプな部分が散見されたり、福澤監督のパワハラ問題が明るみになったりといった、危うさが感じられる要素はほかにもあった。
一方で、あらゆる懸念を理由に企画を避ければ、挑戦的なコンテンツは生まれにくくなる。
今回のコラボ終了を、単に「中国の圧力に屈した」「行き過ぎた表現があった」といった話で終わらせてはならない。日本のコンテンツが世界に広がり、商品化やライセンス事業が拡大するほど、作品を作る側とその価値を活用する側の相互理解が問われる。
その意味でサンリオと『VIVANT』の一件は、放送局の新たなビジネスモデルのあり方、さらには日本のコンテンツビジネスのあり方に課題を投げかけた一例であったと言えるだろう。


※ログイン後、コメント入力が可能です。