さて、高速道路各社ではすでに10年以上前から、IC付近やSA/PAに、逆走への注意喚起の看板や道路上での様々な標識などを設置してきたが、目に見えて減少していないため、あらためてほぼ1年前の昨年11月14日、逆走に関する重点対策実施計画を公表し、様々な施策を進めている。
具体的には、高速道路の施設のうち逆走対策を重点的に進める箇所を「重大事故発生箇所」「複数回発生箇所」「平面交差構造箇所」の3カテゴリーに分類し、それぞれに合わせた対策を講じつつある。「重大事故発生箇所」はNEXCO西日本管内の13施設を筆頭に全国で33施設、「複数回発生箇所」は85施設、「平面交差構造箇所」はNEXCO東日本管内が最も多い49施設を含む計85施設で、重複を除く合計188施設が対象である。
段差や壁、錯視で逆走を警告
施策の中身を見ると、ウェッジハンプ(非対称の段差によって発生させる振動や衝撃音の体感で警告する逆走防止装置)、プレッシャーウォール(注意喚起の文言を記した大型壁材を両側の路肩に連続設置したもの)、錯視効果路面標示(逆走すると立体的に見えて注意喚起する路面の表示)などをそれぞれの施設に設置しつつある。東北道の黒磯板室ICは25年4月に逆走車が本線で2台の車と衝突した「重大事故発生箇所」かつ「平面交差構造」となっていて、ウェッジハンプやプレッシャーウォールの他、大型の矢印の路面表示や方向案内看板の大型化など様々な対策が施された。
こうした一連の対策完了の目標は28年度以内となっているが、これで高速道路の逆走は撲滅できるだろうか? 先述の「過失」や「認識なし」のドライバーに対しては一定の効果がありそうだが、「故意」で逆走をする運転者はこうした施策でも防ぎきれない可能性が高そうだ。
今後は、ナビシステムと連動して、逆走の車線に入りそうになったら車の中で大きな警告音を出したり、場合によっては強制的に停車させるような技術的なシステムの開発が必要かもしれない。また、運転する私たちも、うっかり逆走することがないようにIC/JCT、あるいはSA/PAでは進行方向を慎重に確認する習慣を身につける必要がある。また、高速走行中は車間距離を空けてできるだけ前方が見えるように、そして逆走車は追い越し車線を走行することが多いため、追い越し時以外は(当たり前のこととは言え守らない人が多いので)走行車線のキープを習慣づけるといった自衛策が必要であろう。
今、開発と社会実装が進んでいる「自動運転」が定着する社会が到来すれば、クルマは自動的に正しい道路を走ってくれて、「逆走」という言葉も過去のものになるのか、気にかかるところである。


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