予想されていたこととはいえイスラエルの総選挙(定数120)は「勝者不在」、つまりは次期首相を簡単に決めることができない結果となった。今後は大統領が指名した有力政治家が連立政権樹立を目指して各党に協力を呼び掛けるが、どう展開するかまったく読めない。
最悪の場合は、総選挙のやり直し(再選挙)となり、イスラエルの政治の混乱はさらに長期化することになる。
イスラエルの中央選挙管理委員会が10月30日に公表した最終
ネタニヤフ政権に「NO」だが「反ネタニヤフ」も尻すぼみ
まずネタニヤフ首相と連立政権は国民の信任を得ることができなかったということである。
ネタニヤフ首相が党首を務めるリクードは第1党を維持したものの議席は27にとどまる。リクードはかつてほどの勢いはなくなったもののこの10年余りは30議席以上を維持してきたがついにそれを割ってしまった。歴史的敗北といっていいだろう。そして連立政権を構成した各党の議席の合計も選挙前の68が53と過半数を大きく割った。
総選挙の最大の争点が個別政策ではなく「ネタニヤフか反ネタニヤフか」だったことを考えると、この結果は、有権者がネタニヤフに「NO」を突きつけたに等しい。
次にいえることは、有権者はネタニヤフ政権がだめだからといって、「反ネタニヤフ」勢力に傾いたわけでもなかった点だ。野党勢力はヤシャル党首のアイゼンコット氏を中心に4党で構成され、連立政権側を上回る議席獲得が予想されていた。しかし、結果は48議席と連立政権側以上に大きく過半数を割ってしまった。
この記事は会員限定です
残り 2592文字

