有料会員登録
ライフ

「高尾山だし平気」と登るシニアを襲う危険 足のつりに漢方、水を飲めば大丈夫…"良かれと思って"が招く低山で倒れるワケ

9分で読める
低山の山歩きがブームですが、どんなことに気を付けたらいいでしょうか(写真:cba/PIXTA)
  • 久住 英二 立川パークスクリニック院長
2/6 PAGES
3/6 PAGES
4/6 PAGES
5/6 PAGES

さらに秋は、スズメバチの攻撃性が最も高まる時期です。怖いのは、過去に刺された人が再び刺されたときに起きる、急な全身のアレルギー反応(アナフィラキシー)です。過去に刺されたことがある人は、医師に相談して、自己注射薬を携帯してください。

やぶに潜むマダニは、SFTSというウイルスを媒介し、刺されるとSFTS(重症熱性血小板減少症候群)を発症することがあります。SFTSは高齢者ほど重症化しやすいことが知られています。

山歩き中は長袖・長ズボンで肌を守る、下山後は風呂に入り、全身をくまなく観察するといったことが重要。マダニはゴマ粒ほどの大きさですが、もし見つけたら(かまれていたら)自分で取らず、医療機関で取ってもらいます。また、下山後2週間以内に発熱したら、受診時に山に登ったことを伝えたほうがいいでしょう。

クマにも警戒が必要です。

2025年度のクマによる人身被害は238人、うち死亡13人と過去最多で、月別では10月が突出していましたが、11月も安心できません。特に今年は里山での目撃情報が数多く出ています。事前に出没情報を確認し、出没が相次ぐ山域では計画そのものを見直してください。

トレッキングポールの落とし穴

中高年に人気のトレッキングポール(ストック)には、利点と注意点の両面があります。

利点は関節の保護です。下りでポールを使うと、ひざや脚にかかる衝撃が1〜2割ほど減ることが研究で示されています。ひざに不安がある人や太めの人、体力に自信がない人には、体を支える“もう1本の脚”として有効です。

一方で、トレッキングポールは腕や上半身の筋肉を使うため、酸素の消費量や呼吸の量が増え、心臓と肺への負担はむしろ増えます。長さの調整や突き方が適切でないと、かえってバランスを崩すこともあります。

心臓や肺に持病がある人は、ポールを使うときこそペースを落とし、水分と塩分を多めに補給してください。山で使う前に、平らな道で正しい使い方に慣れておきましょう。

6/6 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数