画面、カメラ、スピーカーが一体になり、色をそろえた周辺機器まで含めて机の上を整えられる。そのわかりやすさがiMacの価値だ。今回のモデルでは、性能や接続性の成熟ぶりを素直に評価できる。
M6 MacBook Proは「誰のためのマシンか」わかりにくい
MacBook Proはどうだろうか。M6搭載の14インチMacBook Proは33万9800円からで、AI処理を担うNeural Engineの性能がM5比で最大1.9倍になった。ただし、端末内のAI処理全体では最大25%、LLMが最初の応答を返すまでの速さは最大1.3倍の向上にとどまる。それでも、1世代の伸びとしては小さくない。
一方、デバイスとしては引き続き中途半端な位置にある。上位にはM5 Pro、M5 Maxを搭載するモデルがあり、さらに最上位に、有機ELでタッチ操作に対応した「PROLED XDRディスプレイ搭載 MacBook Pro」(49万9800円から)も加わった。
チップの世代はM6のほうが新しいが、上位モデルとはGPUの規模や処理性能、搭載できるメモリの量や帯域幅が大きく異なる。メモリはM6が最大32GBなのに対し、M5 Proは最大64GB、M5 Maxは最大128GBだ。大きなAIモデルを端末内で動かすなら、この容量の差は重要になる。
日常的な仕事や学習が中心なら、MacBook Airという選択肢もある。筆者自身、M5搭載のMacBook Air 15インチモデルをメインマシンとして使っている。
筆者のような人にとって、今後MacBook AirにもM6が載るのであれば、M6搭載Proを選ぶ理由は薄れる。M6搭載MacBook Airの時期や仕様は発表されていないが、近い将来の更新を見据えて待つという判断もありうる。
ハイクオリティな画面や豊富な端子、冷却ファンを備えた筐体などを求める人にとっては、M6搭載Proを選ぶ合理性がある。それでも、持ち運びやすさや価格を重視するAirと上位のProに挟まれ、価値を説明しにくい立ち位置といえるだろう。
iPad miniは「読む、書く、持ち出す」場面を広げ、iMacは定まった形の中でできることを増やした。一方のM6搭載MacBook Proは、自分にその性能が必要かを見極めることが求められる。
新製品を選ぶときは、自分の日常の「どの場面がどう変わるのか」を想像することが大切だ。明日そのデバイスをどこで開き、何をして、何を見たいのか。その答えが具体的になれば、おのずと必要性も見えてくる。


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