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クドカン×役所広司《俺のこと、なんか言ってた?》が描く"他者へのまなざし"、宮藤官九郎の作品に共通する原点

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俺のこと、なんか言ってた? 宮藤官九郎 
Netflixシリーズ「俺のこと、なんか言ってた?」Netflixにて独占配信
  • 鈴木 旭 ライター/お笑い研究家
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俳優として舞台に立つ一方、作・演出も手掛け、96年には「ウーマンリブ」と銘打った公演を開始。放送作家やドラマ脚本家としても活動の幅を広げ、05年には演劇ユニット「ねずみの三銃士」のために書き下ろした戯曲『鈍獣』で岸田國士戯曲賞を受賞した。

作家として物語を組み立てるだけでなく、俳優や演出家として舞台の現場を経験してきたことも、人物造形や会話、関係性を描く土台になっていると考えられる。

視点を変えて生み出す作品

25年に上演された大人計画の女優5人によるユニット「平凡パンチライン」の舞台公演『Wife is miracle~世界で一番アツい嫁~』では、その創作方法が少しだけ垣間見えた。宮藤が作、木野花が演出を担当した同作の着想は、松竹新喜劇の舞台「一姫二太郎三かぼちゃ」から得ているという。

25年6月20日放送の『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』(ニッポン放送)の中で、宮藤はこの演目を披露した舞台『志村魂』を観て「傑作だ」と感じ、「あれは居間のほうがメインだったんですけど、あれの台所側をやったらどうかなと思って作った」と語っている。

興味深いのは、既存の作品をそのままなぞるのではなく、視点を変えることで別の物語を生み出している点だ。同じ出来事でも、誰を追うかで見え方は変わる。このスタンスは、宮藤作品の大きな特徴のひとつだと感じる。

放送作家として『デカメロン』(TBS系)や『笑う犬』シリーズ、『ワンナイR&R』(いずれもフジテレビ系)などのコント番組を担当する一方、00年の『池袋ウエストゲートパーク』でドラマ脚本家としても注目を集めた。演劇、コント、ドラマと異なるジャンルを経験してきたことは、会話のテンポや掛け合いを組み立てるうえでも糧になっているはずだ。

池袋ウエストゲートパーク(写真:TBS公式サイト)

そもそもラジオ番組への投稿は、番組の文脈を読み、パーソナリティーが何を面白がるのかを想像し、もっともコーナーにフィットしたネタを提出する作業でもある。どこか引っ掛かる言葉や会話の面白さに定評のある宮藤の作風を思えば、こうした経験が現在の脚本術に生かされていると考えるほうが自然だ。

24年には、自身のラジオ番組のリスナーから聞いた愚痴を題材に書き下ろしたオーディオコント『宮藤官九郎が愚痴をコントにさせていただきました』をAudibleで配信している。他人の言葉や日常の出来事を笑いの素材として捉え直す姿勢は、こうした仕事にも表れている。

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