「今まで親に金に借りたり、借金をしたりしたことはない。おそらくその壁を破ったら、両親は『辞めろ』と言うでしょうね」
家族に頼り切っているという自覚がないわけではない。相方・森石ミドリさんからは「実家暮らしで苦労をしていないのが、態度やオーラに出ている」と指摘されることもあるという。
それでも、家を出る理由は見つからない。20年以上続けたバイトと家賃のかからない実家。それがあるからこそ、お笑いが続けられていると本気で思っている。
東京ではバイトが多く、夜勤をこなせばある程度は稼げてしまう。家賃が上がっているとは言え、探せば安い物件も、まだまだ残っている。その結果、令和の夢追い人は「夢を追い続けられてしまう」状況にある。しまだだーよさんの場合、実家が東京にあることも、夢追い人を続けられる要因になっているだろう。前回記事で登場した別のアラフォー男性の場合は、「それが正しいのか、自分でもわからない」とつぶやいていたが……。
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しまだだーよさんの話に戻そう。
かつて同じライブで顔を合わせ、飲みに行った仲間の中には、現在メディアに引っ張りだこの芸人もいた。しまだだーよさんが若手だった頃、同じライブにはひょうろくさん、ぱーてぃーちゃんのすがちゃん最高No.1さん、ちゃんぴおんずの日本一おもしろい大崎さん、街裏ぴんくさんらが集まっていたという。
「そのメンバーは本当に仲が良かったです。中でもひょうろくとは親しかった。彼がコンビを解散したときは『どうするんだろう』と心配していましたが、手が届かないところにいっちゃいましたね。今振り返れば、誰が心配しているんだよって話ですよ」
彼らが売れたことに嫉妬はしていない。むしろ素直に喜んでいるが、彼らが売れてから連絡を取る勇気はない。
「正直な話、恥ずかしさが一番。同じレベルに売れるまでは絶対連絡できない」
同じ舞台にいたはずの仲間が売れていくことは希望でもありつつ、現状の自分の立ち位置を突きつける辛い現実にもなっている。
学生芸人たちは「別の生き物を見ている感覚」
一方、令和ロマンやラランドといった昨今の“学生サークル”出身の人気芸人やSNSの使い方に長けた若手たちについては「別の生き物を見ている感覚」だと話す。
「好きでやっている以前に、効率よくお金を稼ぐツールとしてお笑いをやっているようにも見える。実際にかなり稼げているし人気もあるから、あっちのほうが正義なんですけど……。僕としてはそれを芸人と思えない部分もある」
売れない芸人なりの矜持がそこにあった――。


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