そこで着目したのが、障害者の住まいだ。
障害者の成人向けの住まいには、重度の方向けの障害者支援施設や、グループホームがある。しかし障害者支援施設は民間では社会福祉法人しか立ち上げられないし、グループホームは従来は軽度な方の受け入れが多かった。
一方で「HIDAMARI」が支援をするのは、自傷・他害症状のある重度の方がメインだ。そこで丹羽さんが思い描いたのが、「サービス付き高齢者向け住宅」のような、住まいに必要な支援を組み合わせる形だった。
こうして生まれたのが、「障害者のシェアハウス」だ。もちろん、経営者としての打算もある。昼夜を問わず支援が必要な人の方が、事業としては安定する。一方で、そうした人を受け入れる事業所は足りていない。
ところが、シェアハウスを建てたはいいが、スタッフはまったく集まらなかった。
「今だから言えますが、開設当時は本当に大変でした。僕も24時間働き詰め、施設に泊まり込んでいましたから」
もう限界だ。何か、人を集めるための手を打たないと――。
介護のイメージを一新、「マッチョ介護」誕生
「介護をやりたい人を探しても来ないのは、もうわかった。でも、僕が声をかけて来てくれた友人たちは、最初介護に興味がなかったのに、ずっと続けている。なんでだろう、と考えたら、『介護には興味がなかったけど、みんなと一緒に働くのが楽しいから』。実際に働いてみると、介護ってめっちゃ楽しいし、将来性もあるんだって気づくんですよ」
何かのきっかけで介護に触れてもらいさえすれば、いい仕事だと気づき、辞めないのではないか――。
自身の仮説を確かめるため、一宮駅前で若者100人に街頭アンケートを実施した。すると、仕事を選ぶ理由で一番多かったのが、給料でも福利厚生でもなく、「人間関係のよい会社」だった。
仮説が、確信に変わった。あとはきっかけを設計するだけだ。
「僕は当時身体を鍛えていて、ボディビルの大会にも出ていました。コンテスト出場者を見て、こういう人たちが介護の仕事をしてくれたら、かっこいいよなあと思ったんです」


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