最高学年になった3年生の時は挽回し、地元の進学校に入学したものの、生活はよりテレビゲームと絵を描くことに時間を取られるようになってしまいます。
「ゲームをやめて、絵を描くことを専門にしたいなと思ったのですが、将来を考えたら大学に行ったほうがいいかなとも考えました。それなら絵を勉強するために藝大に行こうと思いました。日本一の美大を目指すことも、ゲームの一種だと捉えましたね」
こうして中村さんは18歳の夏頃から、美大専門予備校に通って、志望する東京藝術大学美術学部デザイン科を受験するための対策を始めました。
自信満々だったのに…
中村さんが通っていた予備校では、講評の際に、上手な作品の順に「上段」、「中段」、「下段」と3段階の評価をしてもらえます。
そこでの中村さんは、最初は苦戦したそうですが、受験の3カ月ほど前に一度「上段」を取れたことが自信になったといいます。
「それからは自分なら絶対に大丈夫だと思っていました。上段をとったことで調子に乗ってしまったんです。自分は天才なのではないかと思ってしまい、授業をサボったりするようになってしまいましたが、そんなに甘い世界ではありませんでした」
例年、藝大に合格していく人はつねに上段を取っていたそうですが、中村さんの受験1年目は、中段程度が多かったそうです。
1次試験:
鉛筆写生(石膏像デッサンか、構成デッサン)
2次試験:
デザインI 色彩(色を使ってモチーフを構成し絵を描く)デザインII 形体(ケント紙などを使用した立体の形成)
学科(大学入学共通テスト):
3教科 国語・外国語・選択科目(地理歴史・公民・理科・数学から1教科)
初年度の東京藝術大学美術学部デザイン科の試験では、無事1次試験を突破します。しかし、2次試験では実力を出し切ることができませんでした。
「自信満々でしたが、色彩でも、立体でも、何も考えられなくなりました。ものすごく緊張していて、当日のことは何も覚えていません。これは受かるはずがありません」
予想通り2次試験で不合格になった中村さんは、現役で通っていた美大専門予備校で浪人を決断します。


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