ドナルド・トランプ大統領は2025年の就任直後、日本を含む各国に対し、突如として高関税政策を打ち出した。このとき日本に課された関税率は24%だった。しかし、大統領の権限も無制限ではない。その行使が法に適うかどうか、最終的な判断を下すのは連邦最高裁判所だ。
26年2月20日、最高裁は6対3で、「国際緊急経済権限法(IEEPA)は大統領に関税を課す権限を与えていない」との判断を下した。その後、国際貿易裁判所の命令を通じ、徴収済み関税の還付手続きが進められた。企業の採算を動かしたのは、大統領の政策だけでなく、その権限の限界を定める司法だった。
日本の輸出企業にとって、対米貿易をめぐる法的環境は一夜にして変わった。この一件は、日本の経営者や政府関係者に、アメリカ政治を読み解くための重要な視座を示している。政策を誰がつくるかに加え、その適法性を最終的に誰が判断するのかという問題である。
アメリカでは最高裁判事を指名するのは大統領だが、承認するのは上院である。下院に、この人事権はない。それゆえに11月3日の中間選挙は、アメリカの法的環境に大きな影響を残すことになる。
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