一方のシートポッドは航空機のビジネスクラスに近い構造で、シートを斜めに配置することでスペースを生み出し、全長2mに達するフルフラットベッドに変形させることもできる。座席定員は従来の客車とほぼ変わらず、昼夜兼用に使うことができる構造を実現した。限りあるスペースをいかに有効に使い、最大限まで定員を増やせるか、ということに主眼を置いた設計となっている点は、Nox Mobilityと同じだ。
同社はフィンランドの会社と戦略的パートナーシップを結び、将来的な同国内の夜行列車に導入することを検討しているとのことだ。フィンランドは、車体が西・中欧と異なり、より大きい規格なので、今回展示されたモックアップよりもスペースに余裕を持たせることが可能になるだろう。
航空宇宙機関が開発する夜行列車
一方、ドイツ航空宇宙センター(DLR)が主導するALISAと呼ばれるプロジェクトは、これまでの2社とはまったく異なるアプローチを見せる。
このプロジェクトには、TRICON(デザイン)、GETA(内装)、satek(サニタリー)、k+v(構造シミュレーション、解析)といった企業が参画。他2社が中古客車の改造を基本としているのに対し、約15mの車体を3つ連ねた3両1ユニットの連接式2階建て客車を新造するという構想だ。
ヨーロッパで標準的な全長26.4mの客車とはまったく異なる特殊な構造となるが、軸重を増やすことなく収容人数を増やすことを目指しており、DLRは車体構造を見直すなど軽量化に重点を置いて研究を進めている。車内は従来の車両と同タイプの座席、リクライニングシート、シングル/ダブルの個室、家族連れ専用個室、車いす対応個室に分けられている。ALISAも他社と同様、昼夜兼用がコンセプトだ。

