ただ、現時点ではあくまで研究段階のプロジェクトであり、他の2社とは異なり運行開始予定などの具体的な話はない。まさに、夢を描いた「コンセプトカー」のようなものだ。
また、同じブースで紹介されていた、香港を拠点とする座席専門会社「BUTTERFLY(バタフライ)」のリクライニング座席も興味深い構造だった。基本的には片側横2列の座席が少し前後にスライドして配置され、昼行では2等座席車として使用可能だが、この2席分を変換すると1つのフルフラットベッドに切り替わる。
夜行では定員が半分になるが、昼行の通常座席車としても使用可能なため、運用効率は高められる。この座席はすでにカナダで導入されることが決まっているが、他の地域でも採用されるのかが気になるところだ。
「新世代の夜行列車」成功するのはどれか
3社は、実現へ向けたアプローチや進捗具合などはまったく異なるが、いずれも共通の認識を持っている。
すなわち、旧態依然とした従来の夜行列車は、長期的に見れば顧客を満足させるに十分なものではないということ、そして車両運用の効率性を高めるため、昼夜兼用での使用を考慮していることだ。その結果が、各社で形は違えどプライバシーを重視した車内レイアウト、さまざまな需要に対応した柔軟なサービス、日中に車両を昼寝させる必要がない効率性……となっているのだ。
これらの新世代夜行列車コンセプトのうち、実際に成功を収めるものはあるのか。そしてこれからも、新たな列車は計画されるのか。しばらくはヨーロッパの夜行列車から目が離せない。

