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「財前五郎のような教授はもう現れない」…大名行列はウソ? 今や民主的になった、"白い巨塔"の頂点に立つ教授の実像

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通路を歩く医師たち
ドラマ『白い巨塔』のような教授総回診の大名行列は、本当にあるのでしょうか(写真:metamorworks/PIXTA)
  • 松永 正訓 医師・ノンフィクション作家

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ドラマ『白い巨塔』のような教授総回診は、今も大学病院にあるのでしょうか。教授が持つ人事や手術の権限と、変わってきたピラミッドの姿を、元大学病院の小児外科医でノンフィクション作家の松永正訓さんの新著『大学病院の正体』から抜粋・編集してお届けします。

教授の権限とは

さて、タテ社会の頂点に君臨するのは教授である。教授の権限とはなんだろうか。

一番は人事権である。医員をどの病院へ出向させるか、助教以上のスタッフをどの関連病院に就職させるか、それを決めるのは教授の専権事項である。これは普通の会社と同じだろう。

医者の世界では大学病院を核として、関連病院との間でしか医者の移動はないと述べたが、ときどき大きな人事異動がある。それは教授ポジションがらみの話が多い。ぼくにもそういう話があった。

ぼくは40歳で大きな病気をして、今後の仕事の方向をどうするか41歳の頃悩んでいた。そんなあるとき、教授に呼ばれて教授室に出向いた。何かと思ったら意外な話が飛び出してきた。

「実は君、自治医大の小児外科から准教授で来てほしいという依頼が来ているんだ。現教授は定年まであと数年だから、将来、教授含みということだ」

「……」

「でも、君は病気しちゃったからね。行けないので、断っておいたよ」

ガクッ。断ったなら、わざわざ教授室まで呼び出して言わなくてもいいじゃん。

でもぼくは思った。もしぼくが病気をしてなかったら、教授はぼくを自治医大に出すつもりだったのかな。単身赴任じゃないか。絶対にイヤだな。断ったらどうなるんだろうか。ま、消えた話だからいいか。

こんな具合に教授の人事権は強烈である。

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