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「財前五郎のような教授はもう現れない」…大名行列はウソ? 今や民主的になった、"白い巨塔"の頂点に立つ教授の実像

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通路を歩く医師たち
ドラマ『白い巨塔』のような教授総回診の大名行列は、本当にあるのでしょうか(写真:metamorworks/PIXTA)
  • 松永 正訓 医師・ノンフィクション作家
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講座には伝統がある。それはすばらしいことなのだが、新しい道を切り拓こうとするときには伝統が障壁になったりする。

元教授というのは隠然たる力を持っていて、医局のOB会などには100%出席する。現教授にはプレッシャーになるはずだ。ちなみにぼくはOB会には出ない。ぼくみたいな年寄りが出席すると、若手はのびのびとできないでしょ?

新しい人が教授に就任すると、たいていこう言う。「守るべきは守って、変えるべきは変える」と。

それでは何も変えられないと思う。数年前に、学生時代にぼくと一緒にラグビーをやった後輩がある科の教授に就任した。そこでぼくは彼に手紙を書いた。

「伝統をすべて捨てて、自分の思うように好きなことをやれ」

彼は今、具体的にどういう姿勢で教授職をやっているのか正直なところ分からないが、最近になって、ぼくからの手紙には勇気づけられたと言ってくれた。せっかく教授になったのだから、しがらみにからめ捕られず思い切り自分の信念を貫き通した方が人生は楽しいだろうし、それはまた患者のためにもなるだろう。

財前五郎のような教授はもう現れない

最後に内科系のピラミッドについて簡潔に触れておこう。内科系でもタテ社会であることは同じだが、外科のように手術を誰に任せるかという絶対的な力関係はない。

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たとえば小児科を例に挙げると、小児科の中にはいろいろな専門領域がある。アレルギー・感染症・循環器・血液・内分泌・神経などなど。教授がアレルギーを専門にしていれば、アレルギー以外のことははっきり言ってそれほど詳しくない。

各診療グループのリーダーが、その領域に関してトップである。外科の教授はすべての手術ができるし知識もあるが、内科はそういう構造になっていない。

したがって内科系のピラミッドは緩やかである。教授の仕事は科のビジョンとか方向性を決めて、全員が活躍できるようにエンジンを回すことだろう。

外科系も内科系も確かに今でもピラミッドを作っているが、かつての封建制はもうない。その理由は、ピラミッドの下でしんどい思いをした人たちが続々と新しく教授になっているからだろう。現在の千葉大病院の教授たちはほとんど全員、ぼくより年下だ。

財前五郎のような教授はもう現れないと思う。威張っている医者は、大学教授より、むしろ開業医では?

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