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遊郭を支える下町として繁栄も…一度は衰退した商店街が「ノスタルジックな街」として再生、鍵を握った「不思議な長屋」の正体

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西鶴賀エリア
西鶴賀エリアは近年、ノスタルジックな街として知られるようになった(写真:事務局提供)
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シェアオフィスは、現在も西鶴賀での新規出店や起業を考える人の相談窓口になっている。まちづくり長野が物件の交渉や調整を担い、建築士会は出店を考える人のリノベ相談やセルフリノベ指導、業者・職人の紹介を担当。越原さんや久米さんのコネクションを活かし、商工会議所の融資窓口や創業支援塾などにつないでスタートアップサポートを行ってきたという。

9軒長屋に一店舗目がオープンして以来、西鶴賀には26年8月時点で累計38店が新規出店。地元のテレビや雑誌で取り上げられる機会も多く、昭和の香り漂うノスタルジックな街として知られるようになった。近年では、事務局を介さず新規出店する事業者や、予算のある事業者が資金を投じて出店する動きも見られる。久米さんはこれを「人が集まる街・集客が見込める街として認知された成果」と歓迎している。

久米さんは、「エリアリノベーションは、地域資源を再編集して地域の人と新たな人をつなげ、『コミュニティ再生の場』にしていく取り組み」と定義する。その実現には、行政や商工団体、金融機関などの連携が欠かせない。実際、西鶴賀では、越原さん・久米さんが個人レベルでそうした機関へ取り次ぎや軌道に乗せるための伴走をしてきた。街の再生をさらに継続的なものにするには、関係団体のプラットフォーム化と、信頼関係を積み重ねる地道な活動が欠かせない。

人がつながり、賑わいが続くために

9軒長屋は、現在おばんざい屋やスペインバル、立ち飲み居酒屋、食堂などが入居し、通りにあかりを灯している。昼営業の店もあり、空き店舗は街づくりを学ぶ中学生の課外活動の場にもなっている。

2026年8月。地主とその子息の承諾を得て、9軒長屋はさらに10年間、賃貸借契約を延長することになった。融資による新規出店者が、完済まで安心して店を続けられる体制にするためだ。今年4月には、西鶴賀が新たに長野市の「中心市街地」区域に加わった。空き店舗活用の補助金や創業者支援等の優遇対象になることから、さらなる活性化が期待される。エリアリノベーション事業開始から8年。街づくり長野とながの建築士会協業による取り組みは、新たな展開を迎えている。

9月某日、秋祭りが行われた。祭りに合わせて、巣立った元店主らも“帰省”。男衆が木遣りを唄い、威勢よく神輿を担ぐ光景に、街じゅうが高揚する。街で生まれた縁は、街の「お宝」を通してつながっていく。

今年の秋祭り。前列で神輿を担ぐ若者2名は、9軒長屋の元店主(当時大学生)。祭りには毎年“帰省”しているそう(写真:事務局提供)

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