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「すれ違い困難な"豪雪秘湯"」 29歳で楽天チアに転身した彼女はなぜ「無期限休業の名湯」の再生に名乗りを上げたのか

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紅葉と夏油温泉観光ホテル
元・楽天チアリーダーの女将はなぜ温泉の再生に名乗りを上げたのか?(写真:GETO Village提供)

後編:『「無期限休業→再開直後に源泉ストップ」 重機も入れない崖の配管断絶から"再起"した宿が「食事を出さない」選択をしたワケ』

INDEX

本州有数の豊富な積雪量で知られる岩手県北上市の夏油(げとう)地区。車のすれ違いも難しい山道の先に、冬は雪に閉ざされる秘湯・夏油温泉がある。2024年に人手不足で無期限休業した「夏油温泉観光ホテル」を引き継ぎ、移住者と大手企業で働く複業人材がこの宿の再生に挑んでいる。
現地で女将を務める元・楽天チアリーダーの村岡葉子さんと、大手企業に勤めながらこの宿の事業開発を担う木村祐輔さん。山奥の湯治宿を復活させた2人の決断から、過疎化や人口減少が進む地域との新しい関わり方が見えてくる。
法人を立ち上げ秘湯を事業承継した村岡葉子さん(左)と木村祐輔さん(写真:筆者撮影)

雪に閉ざされる秘湯の宿

東北新幹線「やまびこ」が停車するJR北上駅から、車でひたすら西へ向かう。市街地を抜けると、景色は広大な田んぼと畑に変わる。やがて道は細く曲がりくねり、視界いっぱいに濃い緑が迫ってくる。走り出して40分。カーブミラーが次々に現れ、すれ違いも難しい峠道になる。

つづら折りの峠道がしばらく続く(写真:筆者撮影)

不安が募り始めたころ、ふいに視界が開けた。そこにあるのが、秘湯・夏油温泉だ。

秋の深まりとともに周囲の広葉樹が一斉に色づく(写真:GETO Village 提供)

夏油温泉は、奥羽山脈の懐に抱かれた山あいにあり、ブナの原生林の間を流れる渓流の両岸に、源泉が点在する。開湯は1000年以上前の平安時代とも言われ、江戸時代には東北を代表する名湯として温泉番付の「東の大関」に名を連ね、明治から昭和初期にかけては湯治場として親しまれたという。戦後になると、1963年に湯治客向けの自炊棟として夏油温泉観光ホテルの前身の宿が開業。最盛期には6軒の温泉施設があったが、今は元湯夏油と2025年に復活した夏油温泉観光ホテルとの2軒だ。

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