結論から言えば、この流れは続き、さらに広がると自分は考えています。25年度には、大学入学者の53.6%が総合型選抜か学校推薦型選抜で入学したそうで、5割を超えています(文部科学省調べ)。国立大学ではまだ一般選抜が中心ですが、東北大は「50年までにすべての入試を総合型選抜に移行する」という方針も示しています。
とはいえ、誤解してほしくないことがあります。「これからは学力ではなくプレゼン力の時代だ」という話ではありません。東大はRoute Aで共通テスト8割を目安とし、東北大は独自の筆記試験に400点を配点しています。一般入試と推薦入試は「混ざっていく」と以前から指摘されてきましたが、まさにその通りになっています。
これから求められるのは、「使える基礎学力」「英語」「探究や課外活動」の3点セットです。その代わり、年号や公式を大量に暗記するような勉強の比重は小さくなっていくでしょう。
大学入試が変われば「いい高校」「いい中学校」の基準が変わる
もちろん、どんな改革にも失敗はつきものです。地方の生徒を取りたいという大学の意図と、実際に地方の生徒が合格できるかどうかは別の話です。英語のエッセイ、英語のビデオ、英語のスコア、共通テスト8割をすべてそろえられる地方の高校生は、現実にはまだ多くありません。
当面は、地方のトップ校の生徒と、首都圏のインターナショナルスクールや帰国生の上位層に二極化する可能性が高いと見ています。制度は数年で終わるものではないと思いますが、10年ほどの運用を経て見直される可能性は十分にあります。
それでも、影響は確実に下の世代へ広がっていきます。大学入試が変われば「いい高校」の基準が変わり、「いい高校」の基準が変われば「いい中学校」の基準も変わります。勉強だけをさせる高校では、活動実績を5件書くことはできません。
東大に入る道は、一般選抜、学校推薦型選抜、カレッジ・オブ・デザインの3つになりました。東北大も、一般選抜、AO入試、ゲートウェイカレッジの3つです。わが子にどの道が向いているのか、早い段階から考えておく必要があります。
最後に、保護者の方にお伝えしたいことがあります。新しい入試のニュースを見て「すぐに英検1級を取らせなければ」と考えたなら、その時点で方向を間違えています。両校が見ているのは、資格の数ではなく「なぜ英語を学び、それを使って何をしたいのか」を本人が自分の言葉で語れるかどうかです。
親が整えた活動は、面接ですぐに見抜かれます。保護者にできるのは、正確な情報を集めること、そして子どもが自分から動き出す余地を残しておくことです。新しい入試が求めているのは、まさにその「自分から動いた経験」なのですから。
2. 東京大学 UTokyo College of Design「Application Guidelines – Admissions for 2027 Enrollment」(2026年9月14日公開)
3. 朝日新聞Thinkキャンパス「東大が新学部を70年ぶりに設置 9月入学の5年制で定員100人」
4. 東京大学新聞「27年度から一般選抜の定員100人減へ 新学部College of Design」
5. 東北大学アドミッション機構「東北大が「ゲートウェイカレッジ」を創設」
6. 河合塾 Kei-Net「ゲートウェイカレッジとは?」(2026年7月31日更新)
7. 九州大学「国立大学学部レベルで国内初!ジョイント・ディグリー・プログラム」
8. 九州大学共創学部「九州大学・グラスゴー大学国際連携学科(仮称)」
9. 文部科学省「参考データ集」(18歳人口の将来推計)
10. 文部科学省「第5回教育未来創造会議を開催」
11. 文部科学省「令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」
12. リシード「【大学受験2025】総合型・推薦型選抜で53.6%入学」
13. CBCテレビ(TBS NEWS DIG)「大学入学共通テスト前に半分の生徒が"受験なしで合格"の時代…東北大学は2050年までに全て『総合型選抜』に切り替える方針」
14. 東京大学 UTokyo College of Design「FAQ」/「Scholarships - 奨学金」
15. リザプロ「【最新】東京大学 価値創造学部(カレッジ・オブ・デザイン)2027 募集要項が公開」(2026年9月14日更新)
16. リザプロ「東北大学 Gateway College(ゲートウェイカレッジ)入試を徹底解説」(2026年10月時点の公式情報に基づく)



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