アップルのApple Intelligenceで行われている、デバイス上で動くモデルとクラウド上のモデルの使い分けも、方向性としては似ている。Apple Intelligenceでは簡単な処理は手元のデバイスで行い、より高度な処理が必要な場合にクラウドの計算資源を利用する。
こうした工夫や、半導体の進化、モデル自体の効率化などによって、AIの処理コストは今後も下がっていく可能性がある。ただし、処理コストが下がったからといって、AIサービスの利用料金が同じ割合で下がるとは限らない。より高度な機能が追加されれば、その分だけ利用する計算資源が増える可能性もあるからだ。
すでにChatGPTに課金しているのに、さらに課金する必要はある?
そして、我々ユーザーにとって、もうひとつ重要な問題がある。
同じようなAIの能力に、何重にも料金を支払っているのではないか? ということだ。
たとえば、すでにChatGPTの有料プランを契約している人が、Adobe AcrobatのAI Assistantにも課金する必要があるのだろうか? ファイルのハンドリングの手間はかかるが、PDFの内容を要約したり、質問に答えたりするだけなら、ChatGPTでも似たようなことができる。
会議の文字起こしや要約も同様だ。ZoomやNottaなどのサービスでAI機能を使わなくても、録音データや文字起こしデータを別のAIに渡せば、同じような結果が得られる場合がある。
もちろん、それぞれのサービスには独自の価値がある。
Acrobatの中で直接PDFを扱えれば、ファイルを移動させる手間が省ける。Zoomの会議内容が自動的に要約され、参加者に共有されるなら、それも便利だ。文字起こし専用のデバイスなら、録音から文字起こし、要約、保存までを一連の作業として処理してくれる。また、企業で利用する場合には、情報の取り扱いやセキュリティ、管理機能なども重要になる。単に同じLLMを使っているからといって、すべてのサービスが同じ価値を提供しているわけではない。
しかし、そうした便利さに、毎月いくら支払う価値があるのか?


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