杉山は長年にわたって周囲から問題点を指摘され、何度も自分を変えるためのチャンスを与えられてきた。しかも、忠告していたのは杉山を一方的に嫌っている人たちではない。杉山のことをよく知り、彼の将来を心配している仲間たちだった。それでも、周囲との関係や仕事の状況を十分に立て直すことができず、今回の事件によって、さらに大きな問題を抱えることになってしまった。
もちろん、酒癖の悪さと今回の万引きを直接結びつけることはできない。今回の事件については、経済的な不安が動機として報じられているが、実際にどのような心理状態にあったのか、酒癖や過去の言動とどのような関係があったのかは明らかになっていない。ただ、長年指摘されてきた悪癖をなかなか改善できず、芸人としても人間としても窮地に追い込まれていたのは間違いない。
「悪い習慣」を助長した要因
そもそも、人間にとって自分の悪い習慣を変えることは難しいものである。酒を飲みすぎる、周囲に横柄な態度を取る、感情的になって人に当たる。このような行動は、本人にとってはその場のストレスを発散したり、自分のプライドを守ったりする手段になっている場合がある。周囲から見れば明らかに問題のある行動でも、本人は目先の満足感や安心感を優先してしまう。その結果として人間関係が悪化したり、仕事を失ったりしても、一度身についた行動パターンはなかなか変えられない。
また、芸人という職業が、彼の自堕落な生き方を助長していた側面もある。一般社会では問題視されるような性格や言動でも、お笑いの世界では、それが本人のキャラクターとして受け入れられることがある。傲慢、短気、酒癖の悪さといった欠点も、笑いに変えることができれば許されてしまうようなところはある。実際に杉山も、自分の素行の悪さを周囲の芸人に厳しく指摘されることで、バラエティ番組に出演する機会を得ていた部分がある。


※ログイン後、コメント入力が可能です。