――もっと早く、子どもの頃に診断を受けていたほうがよかったと思いますか。
pha:受けていたらどうなっていたんだろうな……。診断を受ける前から少数派だとは何となく思っていたので、そんなに変わらないとは思いますが、もっと自覚的になっていたかもしれませんね。「なんでみんなができることができないんだろう」というような悩みは、もっと少なくなっていたかもしれません。
自分は診断なしで、自分なりに判断してやってきましたが、何かあったときの道しるべとして、あれば少し楽だったかな、とは思います。
大石:診断だけではラベルが貼られるだけで、自分の人生に生かせないんです。診断を受けてからが大事で、その情報を使って、例えば小学校なら合理的配慮をしてもらうなど、ちゃんとサポートにつなげられるなら有用だと思います。
最近でこそ、発達障がいのポジティブな側面も語られるようになりましたが、30年前はそうではありませんでした。そのような社会だと、診断がネガティブに働くこともあると思います。
「ギフテッド」とわかると、長年のモヤモヤが晴れる
――大人になってからギフテッドだとわかることには、どんな意義があるでしょうか。
大石:自己理解が深まるのがいちばんの醍醐味だと思います。長年のモヤモヤがやっと晴れる、というケースが多いですね。
どの集団に行っても、いつも少しかみ合わない。自分だけ目立ってしまったり、意見がほかの人とずれていたり、常に少数派だったり……。強い知的好奇心や熱量を持っている人も多いんですが、それは普通の人にはないので、「なんで自分だけ」と思ってしまう。周りと温度感が違ってエネルギーを使うし、理解されなかったり、「もっと手を抜きなよ」と言われたりもして。
診断という形でなくても、ギフテッドについて学んで、「これは間違いなく自分だ」と思う瞬間もあります。自分の子どもがギフテッドだとわかって、「自分もそうだったんだ」と気づくケースも多いんですよ。100パーセント遺伝するわけではないですが、半分くらいはそういうケースがあります。
「自分の人生がやっと腑に落ちた」と受け入れて生きていけるのは、プラスの面だと思います。
(後編に続く)
(聞き手・構成:編集部)


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