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一級品のシャインマスカットが"わずか300円"で販売…創業110年、500人雇用「岡山の超多角化企業」が気づいた"地産地消の罠"

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あぐりガーデン岡山店のランチ
バイオ肥料で育てた野菜をたっぷり使った惣菜ビュッフェと、イタリアンシェフ特製のメインプレートがつく、真庭あぐりガーデン岡山店のランチ(写真:筆者撮影)
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回収された生ゴミが、バイオ液肥に変わる(写真:十字屋グループ)

20年をかけて「財政課題の解決者」になった

前述のバイオ液肥の仕組みは、真庭市から与えられたものではない。牧さんが市に対して「行政側にもメリットがある」と働きかけ、20年もの年月をかけ共同で研究を進め、資源化施設に巨額の投資をした結果、実現したものだ。

十字屋のグループ企業の社員が市役所の農業振興課と一緒になって、生ゴミから作ったバイオ液肥の成分を分析し、土壌や野菜の成分もすべてデータ化していった。

「市役所から見ても、お節介な会社だと思いますよ。昔は私も若かったですし、市役所の職員ともよく言い合いしました。うちの会社だけではなく、地域や真庭市の行政にメリットがあることを提言し続けてきただけです。持続可能な町にするためには、民間企業だけでは無理です。それは、行政も同じだと思います」

岡山店の店頭で栽培される、循米(めぐりまい)(写真:十字屋グループ)

市内に3つあった焼却炉を1つに減らし、バイオ液肥の資源化施設を建てるという計画は前例のないものだった。もし失敗すれば、真庭市の燃えるゴミがあふれる。それでも真庭市は、牧さんの考えに賛同した。

「市としても、大きな賭けだったと思いますよ」

賭けは成功した。そしてこの資源循環の仕組みは、真庭市にとって欠かせないものとなった。十字屋グループは自治体にとって、単なる「取引先」ではなく「財政課題の解決者」になったといえる。

岡山店で量り売りされる醤油(写真:筆者撮影)

この循環型の取り組みは、2025年に「持続可能な社会づくり活動表彰」で環境大臣賞を受賞した。民間企業の提案から始まった仕組みが、国から表彰される事業にまで成長したのだ。

生ゴミの資源化も、焼却施設の集約も、人口減少に悩む自治体ならどこでも欲しい仕組みだろう。だが同じことをやっている地域は、ほかにない。なぜ他社には真似できないのか。参入障壁は2つある。

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