昔ながらの商店と、コンビニやおしゃれなレストラン、洋菓子店などが入り交じる。歩き続けて駅から離れると店舗が減り、人通りもまばらになって住宅地の色が濃くなっていく。
ふと横に目をやると、道が真っすぐに伸びている。整然とした区画に戸建てが建ち並ぶ住宅地だ。
碁盤の目のような住宅地を歩いていると、大豪邸があり思わず二度見してしまった。そのような豪邸はごく一部であるものの、多くの住宅は敷地が広く、洋風の豪華な門や歴史を感じる格式高い門を構える戸建ても点在する。
各戸建てにはたいてい駐車スペースが複数台分あり、ベンツをはじめとした高級車もよく見かける。人通りはあるものの閑静な住宅地。駅前と違って、自分が街になじんでいないように感じてしまう。
ふと振り返ると、見晴らしがよく、遠くの超高層ビル群まで見渡せる。この地は、高い台地に位置しているのだ。
親しみやすい駅前の商店街と、台地の上の閑静な高級住宅地――これが久が原の街の主な顔である。
久が原はいかにしてこのような街並みになったのだろうか。
2万年前から生活が営まれていた
本連載で街の歴史を探るときは、たいてい江戸時代あたりから振り返る。だが、今回は約2万年も前の旧石器時代からたどっていきたい。久が原では、このはるか昔から人々が生活を営んでいたことのわかる代表的な遺跡が発掘されているからだ。
久が原台地は、大田区で最初に人が住んだ場所である。旧石器時代のことだ。久が原台地には針葉樹と広葉樹の森があった。


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